子どもの病気

花火の楽しみとぜん息リスク— PM2.5と化学成分の視点から、子どもを守る賢い楽しみ方 —

要点

  • 花火には燃焼を助ける炭素や硫黄に加え、顔料や安定剤としてアルミニウム、バリウム、カドミウム、マンガン、ストロンチウム、鉛などの重金属が含まれることが多く、気道を刺激します。ぜん息児は発作が誘発・増悪しやすいので対策が大切です。
  • 大規模花火の前後はPM2.5が一時的に大きく上昇します。観覧時は風上を選ぶ、短時間でもマスク混み合う・無風の場所を避けるのが有効です。 (サイエンスダイレクト, 奈良県公式サイト)
  • 家庭用なら「けむり少なめ」表記の手持ち系を優先し、煙が漂う・匂いが強いと感じたらすぐ風上へ移動/中断を。製品カテゴリーとして「けむり少なめ」が流通しています。 (eはなびやさん│圧倒的な品揃え!単品からセットまで)

花火とぜん息:なぜ注意が必要?

ぜん息やアレルギー体質の子どもは気道が敏感です。花火の燃焼で出る煙には、過塩素酸塩(推進・酸化剤)、金属化合物(色や発光の調整:例 ストロンチウムバリウムアルミニウム、場合によっては)、硫黄微小粒子(PM2.5)などが含まれます。これらは咳込み・喘鳴(ゼーゼー)・胸苦しさなどを引き起こす刺激源です。

また、公的な患者教育資料でも「タバコや花火の煙などの刺激で発作が起こり得る」と明記されています。 (環境省)

花火や線香の煙から離れましょう

花火や線香の煙を吸ってゼーゼーしたり、キャンプ
ファイヤーやバーベキューなどの煙を吸い込んで
苦しくなって咳き込むことがあります。キャンプ
ファイヤーや花火をするときは、できるだけ風上に
いるようにしたり、口元をタオルで覆うなど煙を吸い
込まないよう工夫をしましょう。

風向に注意

花火の影響は風向に強く左右され、花火特有のストロンチウム(Sr)濃度が上がることが報告されています。花火の影響避けるには風上を選ぶのが理にかなっている理由です。 (奈良県公式サイト)

観覧・遊ぶときの予防ポイント

  • 風上に立つ/座る:会場でも家庭でも風上へ。風下は煙が溜まりやすく、刺激暴露が増えます。
  • マスクの活用:日没後の比較的涼しい時間帯に短時間でもマスク(不織布、可能なら微粒子対応)で吸入を減らす。
  • 混雑・無風・屋根付き空間を避ける:煙がこもる条件はリスク↑。
  • 体調チェック:咳・胸の違和感がある日は「無理をしない」。
  • 発作対応の準備:主治医から指示されたリリーバー吸入薬(SABA等)を携行。日頃のコントローラー内服/吸入は自己中断しない。
  • 症状が出たら中断:「煙たい」「匂いが強い」と感じたら、すぐ中止・退避を。

家庭の花火:選び方のコツ

比較的おすすめ(煙が少なめな傾向)

注意したいもの(煙・粒子が出やすい/近距離暴露が増えやすい)

  • 噴出・打ち上げ・ロケット・爆竹など:短時間に大量の煙や微粒子が発生しやすく、近距離での着火・鑑賞は避けましょう。大規模花火は広域でPM2.5が上昇します。 (サイエンスダイレクト)

ポイント:製品の構造や原料よりも、実際の煙の量で判断するのが現実的です。「煙が視界に入る/匂いが強い」=もう十分濃度が高いと考え、中断して風上へ移動を。

こんな症状が出たら

  • ゼーゼー/咳が止まらない/胸が苦しい
  • 会話が途切れる/顔色不良/呼吸が速い
    上記は発作悪化のサインです。リリーバー吸入を行い、改善が乏しい・数時間でぶり返す・飲水不可/ぐったりなどがあれば速やかに受診してください。

さいごに:楽しい夏を、安全に

花火は夏の大切な思い出づくり。風上を選ぶ・マスクを活用・「けむり少なめ」を選ぶ・無理をしない——この4点を押さえれば、ぜん息やアレルギーのある子どもたちもぐっと安全に楽しめます。上手に工夫して、笑顔の写真を増やしていきましょう。

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