
こんにちは、南22条おとなとこどものクリニックの小林です😊
今日は CAVI(キャビィ) と ABI(エービーアイ) という “痛くない血管チェック” が、下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)を早期発見し、患者さんの足を守った最近の実例をご紹介します。
目次
1. 下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)ってどんな病気?
- 足の動脈が狭くなったり詰まったりして血流が不足する病気。
- 進行すると 潰瘍や壊疽(えそ) を招き、最悪の場合 下肢切断 に至ります。
- 糖尿病・高血圧・喫煙者など、生活習慣病や喫煙歴がある方に多いのが特徴です。
2. CAVI・ABIで何がわかるの?
検査名 | わかること | 特徴 |
---|---|---|
CAVI (Cardio-Ankle Vascular Index) | 動脈の**“硬さ”** | 心臓〜足首までの脈の伝わり方から動脈硬化レベルを数値化。 衣服を大きく脱ぐ必要がなく、5分程度で終了。 |
ABI (Ankle-Brachial Index) | 血管の**“詰まり”** | 上腕と足首の血圧比を計算し、一般に 0.90 未満ならPADを強く疑う とされています。 |
どちらも痛みゼロ・被ばくゼロ。 健診感覚で受けられるのが魅力です。もちろん、当院で実施可能です。
3. 足のしびれ→検査
高血圧で通院中だったある患者さん。
「最近、足がしびれて痛い…」という訴えから CAVI・ABIを実施 したところ、結果は “明らかな異常” を示していました。
すぐに血管専門医へ紹介し、カテーテル治療を行ったことで 壊死や切断を回避 できました。
4. こんな方はぜひチェック!
- 50歳以上
- 喫煙歴 がある
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症 を指摘されている
- 歩行時にふくらはぎが痛い/足が冷える/傷が治りにくい
リスクが当てはまる方には、一次スクリーニングとしてABI検査を行うことが推奨されています。
5. 検査の流れ
- ベッドに横になり、両腕・両足首にカフ(血圧帯)を装着
- 心電図電極と心音マイクをつけ、約5分で測定完了
- その場で血管年齢やABI値がプリントアウト。医師と一緒に結果を確認します。
6. 結果が悪かったら?
- 禁煙・運動・食事など生活習慣の改善
- 血圧・脂質・血糖のコントロール
- 必要に応じて専門医に紹介します。そのうえで投薬開始が検討されます。
- 重症例では カテーテル治療やバイパス手術 も検討
7. まとめ
「足の小さなサインに気づき、検査という一歩を踏み出すことが未来の自分を守る最大の秘訣」
「ちょっと足がしびれる」「タバコを吸っていた」…そんな方はぜひご相談ください。