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なぜ高齢者にワクチンが大切なのか?
年齢を重ねると、体の免疫機能は自然と低下していきます。若い頃なら風邪で済んでいたウイルスでも、高齢になると重症化し、入院が必要になったり、肺炎を起こしたりするリスクが高まります。
しかし、今は医学の進歩により、怖い感染症の多くはワクチンで防ぐことができます。「まだ元気だから大丈夫」ではなく、「元気なうちに打っておく」ことが、健康寿命を延ばすための大切な鍵となります。
インフルエンザワクチン
- 流行時期: 毎年秋〜冬にかけて流行します。
- リスク: 高齢者がかかると気管支炎や肺炎などの合併症を起こしやすく、重症化のリスクが高い病気です。
- 接種について: 65歳以上の方は定期接種の対象となっており、毎年1回の接種が推奨されています。
- 効果: 発症を完全に防ぐだけでなく、もし感染しても重い肺炎への進展を防ぐ効果が期待できます。
肺炎球菌ワクチン
- 病気の特徴: 日本人の死因の上位を占める「肺炎」。その原因菌として最も多いのが肺炎球菌です。
- 接種について: 65歳以上は定期接種の対象です。2026年度からは、より幅広い型に対応した20価ワクチンが定期接種となる見込みです。
- 注意点: 接種後5年程度で効果が徐々に弱まるため、医師と相談の上、5年後の再接種を検討することが大切です。
(📅 2026年4月以降の流れ(最新):定期接種がニューモバックス → プレベナー20(PCV20)に切り替わる予定です。すでにニューモバックスを打った方は、1年以上あければ プレベナー20またはキャップバックスを追加接種可能 → 以後の5年ごとの再接種が不要に!) - 効果: 国内の研究では、65歳以上での有効性が33.5%と報告されており、肺炎予防の要となります。
新型コロナウイルスワクチン
- リスク: 高齢者は若年層に比べて、重症化や死亡のリスクが格段に高いことが分かっています。
- 接種について: 65歳以上の方は毎年1回(秋冬頃)の定期接種が可能です。
- 効果: 流行している株に対応したワクチンを接種することで、重症な肺炎などを予防し、入院リスクを下げることができます。
帯状疱疹ワクチン
- 病気の特徴: 子どもの頃の水ぼうそうウイルスが原因で起こります。80歳までに3人に1人が発症すると言われる非常に身近な病気です。
- 症状: 体の片側に赤い発疹ができ、激しい痛みを伴います。治った後も「帯状疱疹後神経痛」という痛みが長期間続くことがあります。
- 接種について: 2025年4月より、65歳の方を対象に定期接種がスタートしました。(50歳以上も任意接種が可能です)
- 効果: 組換えワクチン(シングリックス)の場合、50歳以上で97.2%、80歳以上は約89〜91%という高い予防効果が示されています。
RSウイルスワクチン NEW!
- 最新情報: これまで乳幼児の病気と思われてきましたが、高齢者にとっても肺炎の原因となる怖いウイルスです。2024年に日本で高齢者向けワクチンが承認されました。
- 効果: 臨床試験では、重症の下気道疾患(気管支炎や肺炎など)を約80%以上予防する高い効果が確認されています。
- 接種について: 日本老年医学会でも推奨されており、60歳以上・50歳以上のRSウイルス感染症が重症化するリスクが高いと考えられる方が対象です。任意接種(2025年12月時点)です。
5つのワクチン比較まとめ
| ワクチン名 | 対象年齢 | 定期/任意 | 主な効果 |
|---|---|---|---|
| インフルエンザ | 65歳以上 | 定期(年1回) | 肺炎・重症化予防 |
| 肺炎球菌 | 65歳以上 | 定期 | 肺炎球菌性肺炎の予防 |
| 新型コロナ | 65歳以上 | 定期(年1回) | 重症化・死亡予防 |
| 帯状疱疹 | 65歳〜 (50歳〜任意) | 定期(2025〜) | 発症・神経痛予防 |
| RSウイルス | 60歳〜 | 任意(2025〜) | 重症下気道炎予防 |
まずは「かかりつけ医」にご相談を
ご自身の体調や、現在治療中の病気によっては、接種のタイミングを調整する必要があります。
「自分にはどのワクチンが必要かな?」と迷ったら、まずはいつも診てもらっているかかりつけ医に相談してみましょう。
あなたの健康を守れるのは、あなた自身の行動です。
出典・参考情報:
・日本老年医学会「65歳以上の成人で接種を検討すべきワクチン」
・厚生労働省 予防接種情報
※本記事は2026年2月時点の情報に基づき作成されています。最新の定期接種の助成制度やスケジュールについては、お住まいの自治体や医療機関にご確認ください。