「4日目なのにまだ熱がある」「薬を飲んでいるのに全然下がらない」——インフルエンザB型にかかったとき、こんな不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、B型の熱がしつこい理由と、特に小さな子どもへの注意点を、現時点の医学的根拠をもとに正確にお伝えします。
目次
インフルBの熱は「何日」続くのが目安?
インフルエンザの熱は、多くの人でだいたい3〜7日ほどで落ち着きます。
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に開始できると、発熱を1〜2日短くする効果が期待できます(厚生労働省インフルエンザQ&Aより)。
ただしここで大事なのは、B型は「薬を飲んでも、A型より熱が長引きやすい」と複数の研究で報告されていること。韓国の小児を対象にした研究では、B型の平均発熱期間はA型より約半日長かったというデータがあります。
「明日には下がるはず!」と期待しすぎると、期待が裏切られがっかりします。
B型は"ちょい長期戦"になりやすい——これだけ先に知っておくと楽になります。
小さな子どもはB型で重症化しやすい。その理由
確かなこととして言えるのは、乳幼児(特に2歳未満)はインフルエンザB型で重症化しやすく、入院に至るケースが多いということです。
その理由は「体が弱いから」ではなく、免疫の仕組みがまだ発達途中だからです。
小さな子どもの体は、ウイルスと戦うときに必要な物質(インターフェロンなど)をまだ十分に作れません。そのため、ウイルスを体から排除するのに時間がかかりやすく、症状が長引いたり、体外へのウイルス排出が大人より長く続いたりすることがわかっています。
こうした免疫の未熟さが、B型にかかったときの「しつこさ」につながりやすいというのが、現在の免疫学的な理解です。
参考の目安(個人差が大きく、あくまで「傾向」として)
- 乳幼児のインフルB:発熱が4〜5日以上続くこともある
- 学童以上のインフルB:3〜4日前後で落ち着く場合が多い
ただし、「小さいほど必ず長引く」というわけではありません。同じ年齢でも、体格・既往歴・ウイルス量によって大きく差が出ます。
「4日目なのにまだ熱がある」=必ずしも異常ではありません。ただし、ぐったりしている・水が飲めない・おしっこが出ないといったサインがあれば、迷わず受診してください。
「高熱でスタート」したときは、スケジュールに余裕を
もうひとつ、参考にしてほしい目安があります。それは「最初に高熱が出た場合は、回復にやや時間がかかることも想定しておく」ということです。
医学的な考え方として、発熱の高さはウイルスへの免疫反応の強さを反映していることがあります。最初に39〜40℃近い高熱が出るということは、「体がウイルスと激しく戦っている状態」のサインである可能性があります。戦いが激しいほど、体が平静を取り戻すまでに時間がかかることも考えられます。
そのため、「高熱でスタートした場合は、仕事・保育・看病のスケジュールに余裕を持っておく」という考え方は、多くの医師が臨床経験から持っている感覚とも一致します。
ただし、注意点もあります。
- 38℃台でも長引くことはあります
- 40℃近い高熱でも2〜3日で落ち着くこともあります
- 熱の高さだけで「重症かどうか」を判断しないでください
熱が下がっても終わりじゃない。咳・だるさが続く理由
熱が下がるとホッとします。でもインフルは、そこからが地味に長い。
- 咳
- だるさ(体が重い、眠い)
これらは2週間以上続くことがあります。気道の粘膜が傷ついて、修復に時間がかかるからです。
「解熱=全快」で動き出すと、ぶり返しや別の感染が起きやすくなります。ゴールを"解熱"に置かないのがコツです。
受診の目安:「待っていい熱」と「相談したい熱」
不安なときは、これで整理すると判断しやすいです。
早めに医療機関へ相談したいサイン
- 熱が7日以上続く/いったん下がってまた上がる
- 呼吸が苦しい、ゼーゼーが強い、唇が紫っぽい
- 水分がとれない、尿が極端に少ない、ぐったりが強い
- 意識がぼんやり、けいれん、様子が明らかに変
自宅でできる「不安を減らす」行動
- 体温と飲めた量、尿の回数をメモ(受診時に強い武器)
- 解熱剤は指示どおりに(無理に熱をゼロにしなくてOK)
- "家の中の仕事"も休む(回復は体力勝負)
あなたが神経質なんじゃなくて、B型がしつこいだけのことも多いです。
焦らず、でも「危ないサイン」だけは見逃さない。そんな感じでいきましょう。
【この記事を書いた医師】
南22条おとなとこどものクリニック 院長
小林 俊幸
小児科・総合内科
この記事は、札幌市で日常診療を行っている医師が、
診察室でよく受ける質問をもとに執筆しています。
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