
子どもって、布団に入った途端にスイッチが入りますよね。
部屋が暗くなると、なぜか元気になる。不思議な生き物です。うちの三男が絶賛「お水ちょうだい」の真っ只中です。
でも、この“寝る前の水要求”には、ただの水分補給じゃ説明できない、子どもなりの深いストーリーがあります。
ここでは、心理・習慣・生理・不安。
いくつかのレイヤーに分けて、ママの心が少し軽くなる視点をまとめます。
目次
寝るのが「つまらない」。だから水を飲みたくなる。
子どもって、寝るのが好きなようでいて、実は“寝かされること”はあまり好きじゃない。
だって遊びの時間が終わる。ママとの距離がちょっと遠くなる。
世界が暗く静かになって、自分ひとりだけになる——これ、幼児にはけっこう大きなストレスです。
だから、
「まだ起きていたい」
「終わらせたくない」
この2つの気持ちが、寝る直前に“お水”として表に出てくるわけです。
ある意味で「現実世界にしがみつくためのラストアクション」。
ささやかな抵抗。小さな希望。
そんな可愛いメッセージなんです。
実は“習慣”として定着しているだけ、というパターンも多い
寝る前の水って、けっこう“儀式化”しやすいんです。
「読み聞かせ → コップ一杯 → 寝る」という流れが何となく定着すると、
子どもはその儀式をこなさないと落ち着かなくなる。
大人だって、寝る前にスマホを触らないと落ち着かない、みたいなクセありますよね。あれと同じです。
さらに、卒乳の延長で“口を使う安心感”を水で代替しているケースもあります。
添い乳の名残、とでも言えます。
条件反射レベルで「寝る前=口に何かほしい」と体が覚えているんですね。
儀式もクセも、時間とともに自然と薄まります。
いまは「そういう時期なんだな」くらいの感覚でOK。
身体的にも、寝る前に喉が渇きやすい子はいる。
子どもは大人より代謝が速くて、寝入りばなに体温がぐっと上がる。
その“ポカポカ状態”で喉が急に渇く子もいます。
それから、冬の暖房、乾燥、日中の軽い脱水。
このへんのコンボが揃うと、寝る前に「水〜!」となりがち。
さらに、子どもの脳の“口渇中枢”(喉の渇きをキャッチするセンサー)はまだ未熟なんですよね。
だから日中に気づかなかった渇きが、寝る直前に突然くることもあります。
ただ、あまりにも多飲・多尿が続く場合だけは、小児科での相談をおすすめします。
「甘えたい」気持ちを、水が代弁している。
子どもにとって、おやすみは“ミニ分離体験”。
まだ時間感覚が未熟だから、「寝ても朝になればまたママに会える」と理解しきれていない。
だから、ちょっとさみしい。
ちょっと心細い。
ちょっとママに触れたい。
その気持ちをストレートに言えないからこそ、
「お水ちょうだい」が便利な“万能ワード”になるんです。
ママが水を持ってきてくれる。
優しく声をかけてくれる。
水を持ってきてくれるときは怒られない(ジュースって言われるよりは嬉しいから)。
これで「守られている」という感覚が満たされる。
水が欲しいんじゃない。
“ママとのつながり”が欲しいんです。
まとめ:水は「ただの水」じゃなくて、子どもからのメッセージ。
ここまでの話をぎゅっとまとめると、寝る前の水要求には4つの意味があります(もっとある!ってヒトはコメントください)
・寝のがつまらない/もう少し起きていたい
・ルーティンとして定着している
・身体が本当に少し渇いている
・甘えたい、不安を埋めたい
どれも“成長の途中”だから起こること。
どれも“悪いこと”じゃない。
どれも“いつか終わる時期”でもあります。
ママが毎晩イラッとするのは自然だけれど、
その裏にある子どもの気持ちを知っているだけで、受け止め方が少し変わります。
水を一口飲んで、安心して眠っていく子どもの横顔。
そこには、その子なりの「今日も頑張ったよ」のサインが、ちゃんと刻まれています。
遠い遠い昔に自分も同じことを考えて寝ていたなって思い出します。いま寝たら、もう目が覚めないじゃないかって思って泣きながら寝たこと。
子育てって、こういう小さな謎解きが積み重なっていくんですよね。