インフルエンザワクチン開始を前によく受ける質問~回答を書きました。
昨年ワクチンの接種を受けましたが今年も受けた方がよいでしょうか?
インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されると判断されたウイルスを狙って製造されます。昨年、インフルエンザワクチンの接種を受けた方であっても、今年のインフルエンザワクチンの接種を検討した方がよいと思われます。
また、ワクチン効果の持続期間は約5カ月であることからも毎年接種することが望ましいと思います。
インフルエンザワクチンの接種はいつ頃受けるのがよいですか?
日本では、インフルエンザは12月~4月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えます。12月中旬を目途にしてワクチン接種を終えることが望ましいと思います。
コロナ流行でいろいろな感染症が時期をずらして流行するのでインフルエンザに関してもしっかりと情報を集めることも大切だと思います。
インフルエンザワクチン接種によって、インフルエンザを発症することはありますか?
これはありません。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。不活化ワクチンは、インフルエンザウイルスの感染性を失わせ、免疫をつくるのに必要な成分だけを取り出して作ったものです。
そのため、ウイルスとしての働きはないので、ワクチン接種によってインフルエンザを発症することはありません。
他のワクチンとの接種間隔はどうしたらよいですか?コロナワクチンとの間隔はどうしたらよいですか?
インフルエンザワクチンについては、他のワクチンとの接種間隔に制限がなくなりました。2種類以上のワクチンの同時接種も可能です。
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種も可能です。
感冒、ウイルス性疾患罹患後のインフルエンザワクチンの接種時期、効果、注意点などについて教えてください。
かかった感冒やウイルス性疾患が軽症なら、症状が回復すれば接種できます。
中等症なら、治癒後2週間くらいが目安です。
重症疾患の場合にはしばらくは免疫能が低下するため、それが回復する4週間後以降に接種するほうが効果を期待できます。
帯状疱疹は、宿主免疫を低下させる基礎疾患や投薬に注意する必要がありますが、急性期を過ぎて回復傾向であれば接種は可能です。
鶏卵アレルギーですが、予防接種は受けてよいですか?
インフルエンザワクチンの中の鶏卵成分は、きわめて微量です。そのため、卵アレルギーをもっていても、多くの場合、インフルエンザワクチンは安全に接種できています。
インフルエンザワクチンには、微量の卵蛋白が含まれていますが、数ng/mLと極めて微量でWHO基準よりはるかに少ないことがわかっています。
インフルエンザワクチンの成分によってアナフィラキシーを呈したことが明らかな者は接種不適当者ですが、卵白特異的IgE抗体が陽性でもであっても、卵加工食品を食べても無症状であるおこさんでは、接種後の鶏卵アレルギーによる重篤な副反応の報告はありません。
妊婦・授乳婦や妊娠を考えている方がインフルエンザワクチンを接種した方がよいでしょうか?
妊婦のインフルエンザ感染症は重症化する傾向にあり、さらに、母体の感染による胎児へのリスクの増加に関する報告もされていることから、積極的なワクチン接種が世界的に勧められています。
一般的に妊娠中のすべての時期において安全です。日本で使用されるインフルエンザワクチンは、病原性をなくした不活化ワクチンで、 胎児に悪影響を及ぼしたという報告はありません。
また、妊婦がワクチンを接種することで胎盤を介して胎児に移行し感染防御することが期待されています。