3月〜4月は転居の時期です。とくに3月にはたくさんの紹介状を書きました。そして、4月には新たに医療機関の受診を必要とするヒトも多いです。
この時期に受診される際に困ることの一つが、患者さんがどのような病気を持っていて、どのお薬が必要かわかっていないということです。とくに、たくさんのお薬を服用している患者さんに多いことなんです。
これは、日常的に見かける光景です。
そこで、今回は紹介状の大切さについてお話しします。
紹介状とは
紹介状とは、主治医が書いた患者さんの病状や治療内容が書かれた書類です。この紹介状を持っていくことで、新しい医療機関でもスムーズに診療を受けることができます。
特に、たくさんのお薬を服用している場合は、紹介状があることが重要です。
なぜなら、たくさんのお薬を飲んでいる方はたくさんの病気を抱えていることが多く、その経過が大切であること。また、担当医がどのお薬をどのような理由で処方したのか確認が必要であるためです。
新しい医療機関でお薬を処方される場合、以前からどのようなお薬を処方していたのかを知ることで、さらに適切な処方を受けることができます。
たくさんのお薬を服用している場合には、「お薬手帳」を持っていくことも大切です。
お薬手帳には、服用しているお薬の種類や量、服用時間などが記載されています。この情報を持っていくことで、新しい医療機関でも適切な処方を受けることができます。
紹介状には、患者さんのアレルギーや過去の副作用など、医療ミスを防止するための情報が記載されています。これらの情報によって医療関係者は適切な処置を行うことができます。
紹介状は、患者さんの医療において欠かせない大切な書類です。
いつも通っている病院があるのに言い出しづらいといって、別の高次病院に受診したいがために紹介状だけをもらいに来院される方がいます。
このような場合、患者さんにとっても医療機関にとっても、様々な問題が発生する可能性があります。
まず、患者さんにとっては、治療内容の継続性が失われる可能性があります。
別の高次病院に受診することで、治療内容が変わったり、すでに実施した検査が重複したりして、必要以上に負担がかかる可能性があります。
一方、医療機関にとっては、患者さんの病状や治療歴など、必要な情報を十分に把握することができないため、適切な紹介状を記載できません。
もしも初診の方が別の高次病院に受診したいという場合には、まずはいつも通っている病院の診療所や病院に相談することをおすすめします。
その上で、病院側が紹介状の提供をすることが適切であると判断した場合には、紹介状を受け取ってから受診するようにしましょう。そうすることで、より質の高い医療を受けることができます。