おとなの病気

痛風の原因と夏の注意点

最近、痛風の発作で受診される方が増えております。

痛風は尿酸結晶が関節にたまり、激しい炎症を引き起こす病気であり、その痛みは地獄のようなものです。

特に夏の時期に痛風の発作が増える傾向があります。

本記事では、痛風のメカニズムと夏に増える理由、そして予防法についてご紹介します。

痛風のメカニズムと高尿酸血症の関係

痛風は、体の中に古くなった物質である「尿酸」というものが関節にたまって起こります。

通常、体内で生成された尿酸は排尿や排便とともに体外に排出され、血液中の尿酸濃度は一定の範囲に保たれます。

しかし、尿酸の生成が増加したり、排出がうまくいかなくなると、血液中の尿酸濃度が上昇し、「高尿酸血症」という状態になります。

「高尿酸血症」が持続すると、溶けきれない尿酸が結晶となって関節内に残り、痛風の症状が現れます。

痛風の発作は主に男性に見られます。女性は女性ホルモンの影響により、尿酸が体内に蓄積しにくいためです。

夏の痛風発作増加の理由

夏の暑い気候下では、人々は通常よりも多く発汗します。

この発汗により、体内の水分が失われ、脱水状態になりやすくなります。脱水は尿酸の排泄を妨げ、尿酸の濃度を上昇させる要因となります。

さらに、夏にはビールや冷たい飲み物を好んで摂取する傾向があります。これらの飲み物には、尿酸生成を促進する成分が含まれています。

したがって、夏には脱水と尿酸濃度の上昇が重なり、痛風の発作が増えるのです。

夏の痛風発作予防のポイント

夏の痛風発作を予防するためには、以下のポイントに注意することが重要です。

適切な水分摂取

夏の暑い時期には体内の水分が失われやすいため、こまめな水分補給が必要です。

水やお茶を1日に2リットル以上摂取しましょう。

また、アルコール摂取は尿酸濃度を上昇させるので、控えるようにしましょう。

健康的な食事

プリン体の多い食品(レバーやアンチョビ、エビなど)やフルクトースの多い飲み物(甘いジュースや砂糖入り飲料)の摂取を控えることが大切です。

バランスの取れた食事を心掛けましょう。

適度な運動

適度な運動は血液循環を促進し、尿酸の排泄を助けます。

日常的に軽い運動や散歩を行いましょう。

ただし、激しい運動や関節に負担のかかる運動は避けるようにしましょう。

医師の指導を受ける

痛風の予防や管理のため定期的に医師の診察を受け、適切な治療や薬物療法を受けることもご検討ください。

まずは受診して血液検査をしてご自身の尿酸値を確認してみましょう。

生活習慣の見直しだけでは尿酸値が下がらない場合にはお薬を飲むことも検討しましょう。

まとめ

夏の暑い時期に痛風の発作が増える理由と予防法についてご紹介しました。

夏は脱水や特定の飲食習慣が痛風の発作を促す要因となりますので、水分補給や健康的な食事、適度な運動を心掛けることが重要です。

健康な夏を過ごすために、痛風の予防に取り組んでみてください。

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