私の次男は小さな頃、高熱を伴う「熱せん妄」に何度も見舞われました。39度を超えると、突如部屋を徘徊し、泣き出したり大声で叫ぶことがありました。
その光景を初めて目にしたとき、心の底からの驚きと不安を感じましたが、何度かの経験を通じて、その症状に落ち着いて対応できるようになりました。10歳を過ぎると、彼の熱せん妄は幸いにも出現しなくなりました。
もし、あなたのお子さんも高熱を出した際に普段とは違う行動を見せたら、それは「熱せん妄」の可能性があります。今日はその「熱せん妄」について解説いたします。
熱せん妄とは?
子どもに熱が出た時、一時的に意味が分からないことを言ったり、異常な行動をとることがあります。 これを「熱せん妄」といいます。
熱せん妄は、1歳から10歳くらいの子どもに主に見られる症状です。高熱によって大脳の温度が上昇し、ノルアドレナリンやドーパミンといった化学物質が脳内で大量放出されることが原因とされています。
熱せん妄の対処法
熱せん妄でお子さんの様子が豹変すると、親御さんもパニックに陥り、やるべきことができなくなってしまうことがあります。まずは落ち着きましょう。そして、以下のようなことをやってみてください。
傍で様子を見る
お子さんの安全を確保し、穏やかに見守りましょう。「熱せん妄」になりやすいお子さんの場合には、発熱中は同じ部屋で一夜をともにしましょう。中には不安や恐怖からパニック状態になり外に飛び出してしまうこともあります。窓・玄関のカギはしっかり閉めて家族が様子をみてあげる必要があります。
身体を冷やす&お薬の服用
熱せん妄発症時には、解熱の手段として首や太ももを冷やすことが有効です。また、解熱剤を適切に与えることも大切です。
安心感を与える
熱せん妄中のお子さんは特に不安や恐れを感じやすいです。優しく手を握る、抱きしめるなどして安心感を与えてあげましょう。
注意点
熱せん妄の症状は通常、数分から数時間で収まりますが、それ以上持続する場合や、けいれんを伴う場合は、深刻な脳の障害の可能性が考えられるので、すぐに医療機関への受診が必要です。
さいごに
熱せん妄は、多くの親が初めて経験すると驚くかもしれませんが、適切な対応をすれば、お子さんも安心して症状を乗り越えることができます。