
3秒でわかる結論
- まずは脱水予防が最重要(経口補水液をちびちび)
- 嘔吐・下痢がおさまったら4〜6時間以内に少量の食事再開
- 食べられなくても短期なら問題なし。赤ちゃんは母乳・ミルク継続でOK
胃腸を“休ませつつ守る”
- 胃腸炎は腸の内側が炎症を起こし、消化にフルパワーを割けない状態。
- 嘔吐が続く間は“食べさせない選択”が正解。「食べない=悪」ではありません。
- ただし完全絶食を長引かせる必要はありません。吐き気が落ち着き、本人が「何か食べたい」と言い始めたら、小さじ1杯からスタートしましょう。
🔍 授乳中の赤ちゃんは?
母乳・ミルクは基本そのまま続けてOK。嘔吐が激しいときは5〜10分おきに少量ずつ与えると戻しにくくなります。
水分補給は“ちょびちょび作戦”で
何を飲ませる? | どれくらい? | ワンポイント |
---|---|---|
経口補水液(ORS) (OS-1®など) | スプーン1杯〜湯飲み1杯を5〜10分おき | 塩分・糖分バランスが脱水に最適 |
母乳・ミルク | 欲しがる分を分割して | 赤ちゃんの主要な水分源 |
⚠️ 水やお茶のみ大量摂取はNG | ― | 低ナトリウム血症の危険 |
「ちょっとでも飲めたね、えらい!」と声かけしてあげると、子どもも前向きに飲みやすくなります。
リスタート食は“消化ラクラク”メニューで

- おかゆ(重湯→全がゆへ段階アップ)
- やわらかいうどん・そうめん
- バナナ・すりおろしリンゴ
- 小さじ1杯→大さじ1杯→通常量と、様子を見ながらゆっくり増量。
- 脂っこい物、乳脂肪の多い物、刺激物(カレーなど)は完全に元気が戻るまではお預けに。
家族内感染を防ぐポイント
- 嘔吐物・下痢便は塩素系漂白剤(次亜塩素酸Na 0.1〜0.2%)で拭き取り→ビニール袋で密閉。
- 使い捨て手袋・マスクを着用。処理後は石けんでしっかり手洗い。
- タオルや食器は共有しない。洗濯は85℃以上の熱湯消毒 or 塩素系漂白剤で。
受診を急ぐ“赤信号”

- 水分すら全く取れない/すぐ吐く
- ぐったりして反応が鈍い
- 尿量が明らかに少ない/半日以上出ない
- 唇や口の中が渇いている、涙が出ない
- 38℃以上の発熱が続く
いずれか当てはまる場合は、夜間でも医療機関へ!
まとめ
「水分>食事」
「吐き気が治まったら少量から食事再開」
この2つさえ押さえれば、“食べさせられない罪悪感”は不要です。
お子さんと看病するご家族、両方のエネルギーを大切にしながら乗り切りましょう。
元気になったら、一緒に「食べられたね!」と小さなガッツポーズを✨
出典:小児急性胃腸炎診療ガイドライン2022