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加湿器の中は秘密基地⁉︎レジオネラ菌を見逃すな

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鳥取県の温泉でお風呂の水からたくさんのレジオネラ菌が見つかり、利用した人の中に体調をくずした人が出ました。

温泉施設で基準値の620倍「レジオネラ菌」検出

鳥取・米子の温浴施設で2人がレジオネラ症、基準値の620倍の菌検出…体調不良の相談47件

「うちも家族で温泉によく行くけど大丈夫?」「シャワーヘッドの掃除、放っておいて平気?」――そんな疑問にお答えします。

1. レジオネラ菌ってどんな菌?

水や土に広くいる環境菌

湖・川・人工の貯水タンク、家庭の給湯設備、浴槽配管、加湿器のタンクなどに潜んでいます。

感染経路は“水のしぶき”

直径5μm以下の細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むと、肺の奥まで届いて感染します。人から人へはほぼうつりません。

どんな病気になるの?

レジオネラ肺炎

レジオネラ肺炎は、まず全身倦怠感や頭痛、食欲不振、筋肉痛などのかぜ症状で始まり、やがて咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が現れます。まれに心筋炎など肺以外の合併症や、意識障害・幻覚・手足の震えといった中枢神経症状、下痢なども伴います。軽症例もありますが、適切な治療を行わないと急速に症状が悪化し、生命にかかわることがあります。

ポンティアック熱

これに対して、ポンティアック熱は、突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、一過性のもので、自然に治癒します。

3. どこで気をつける?<身近な危ない場所>

レジオネラ菌は水しぶきやぬめりから肺に入ることがあるため、普段から“しぶきが舞う場所”や“ぬめりがたまりやすい場所”をチェックしましょう。

施設・場所主な原因例
温泉・スーパー銭湯循環配管の清掃不足、泡風呂や打たせ湯のぬめり
家庭のお風呂追いだき配管にたまったぬめり
加湿器・アロマディフューザータンク内の水を長時間放置
エアコン冷却塔配管にできたバイオフィルム
園芸用土・培養土L. longbeachaeが含まれることがある

4. かかりやすい人は?

レジオネラ菌は通常、多量の菌(1000個以上)が肺に入らないと感染しにくいですが、以下のような方は少ない菌量でも発症リスクが高くなります。

  • 50歳以上の高齢者
  • たばこを吸う人・お酒を多量に飲む人
  • ぜんそくやCOPDなど、慢性の肺疾患がある人
  • 糖尿病やがん治療中で免疫力が低下

5. 自分でできる予防のコツ 5つ

循環式浴槽(追いだき機能・24時間風呂など)の洗浄

週に1回、お湯を60℃以上で5分間以上循環させ、配管や浴槽内のぬめり(バイオフィルム)を落としましょう。取扱説明書に従い、フィルターやパイプも定期的にメンテナンスを。

シャワーヘッド・ホースのつけ置き洗い

月に1回、ぬるま湯+漂白剤でシャワーヘッドやホースをつけ置きし、ぬめりやカビをしっかり除去します。

加湿器タンクの毎日清掃

超音波式などのタンク式加湿器は、毎日水を捨てて新しい水を入れ、容器も洗剤/クエン酸などで洗浄しましょう。スチーム式(蒸気)加湿器は60℃で5分間の加熱殺菌効果があるため、感染リスクが低くなります。

温泉・スパでのチェック

「塩素濃度」や「清掃記録」の掲示があるか確認し、配管や循環装置のメンテナンス状況をチェックしましょう。

入浴後の体調管理

入浴後2週間、せきや熱が続くときは早めに病院へ。自己判断せず、施設名や日時を伝えて受診してください。

6. こんなときは病院へ!

  • 熱が3日以上つづく(38℃以上)
  • 強いせきや黄色いたんが出る
  • 息苦しくて呼吸が速い
  • 温泉や大きなお風呂に行ってから2週間以内に体調が悪くなった

まとめ

レジオネラ菌は夏に気をつけたい肺炎の原因菌です。

お風呂や加湿器のぬめりをなくすお掃除が一番の予防になります。

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