🚨 緊急来院!みかんちゃんに何が?
👩🦰オレンジさん:「先生!大変です!みかんがテニスの練習から帰ってきて、急に熱が出て…!」
🟢ミドリザウルス先生:「落ち着いて、オレンジさん。まずはみかんちゃんの状況を聞かせて。いつから、どんな症状?」
🍊みかんちゃん:「うう…頭がガンガンして、なんか気持ち悪い…」
🟢:「体温は測った?」
👩🦰:「38.5℃ありました!これって熱中症ですよね?すぐに救急車呼んだ方が…」
🟢:「ちょっと待って!確かに熱中症の可能性はあるけど、まずは『30分ルール』で様子を見てみよう。焦らず、順序立てて判断するのが大切なんだ。」
🔍 STEP 0:まずは"場所と状況"をチェック!

🟢:「みかんちゃん、今日のテニス練習はどんな感じだった?」
🍊:「すごく暑くて…外のコートで2時間くらい。途中で水は飲んだけど…」
🟢:「なるほど。じゃあチェックリストで確認してみよう」
📋 熱中症リスクチェック
🟢:「気温・湿度は?今日は何度だった?」
👩🦰:「確か32℃で、すごくジメジメしてました」
🟢:「✅ 気温30℃以上、湿度も高そうだね。場所は?」
🍊:「屋外のテニスコートで、風もあんまり…」
🟢:「✅ 炎天下の屋外。行動は?」
🍊:「激しく動いてました。サーブ練習とか…」
🟢:「✅ 激しい運動。服装は?」
🍊:「紺色のテニスウェアです」
🟢:「✅ 濃い色の服は熱を吸収しやすいね。最後に水分補給したのは?」
🍊:「えーっと…練習の途中で飲んだから1時間くらい前?」
🟢:「✅ 5つも当てはまった!これは確かに熱中症のリスクが高いね。でも、まだ断定はできない。今から『30分ルール』で体の反応を見てみよう」
⏰ STEP 1:"30分ルール"で体温の動きを観察

🟢:「まずは体を冷やそう。オレンジさん、保冷剤か氷枕はある?」
👩🦰:「はい!すぐ持って来ます」
🟢:「首の後ろ、わきの下、太もものつけ根を冷やして。みかんちゃんは経口補水液かスポーツドリンクを少しずつ飲んで」
📊 30分後の観察結果
👩🦰:「先生、30分経ちました。体温測ってみます…37.2℃!下がってる!」
🟢:「おお、いい反応だね!熱がスーッと下がったということは、軽い熱中症(熱疲労)の可能性が高い」
🍊:「なんか少し楽になった気がします…」
🟢:「よし!これが熱中症の特徴の一つ。適切に冷却すると比較的早く体温が下がるんだ。でも、念のため60分後ももう一度測ってみよう」
📊 60分後の確認
👩🦰:「36.8℃まで下がりました!」
🟢:「完璧!これで熱中症だった可能性が濃厚だね。もし感染症だったら、60分で38℃以上が続いているか、また上がってきてるはずなんだ」
🔍 STEP 2:"症状セット"で病気を絞り込み

🟢:「みかんちゃん、他に症状はある?咳とか鼻水、お腹の調子はどう?」
🍊:「お腹は大丈夫です。咳も出てないし…ただ頭痛と気持ち悪さが残ってて」
🟢:「つまり症状は:
- 炎天下での運動後の発熱
- 頭痛、吐き気
- 冷却で体温が下がった
これはよくある熱中症のパターンだね」
👩🦰:「他の病気じゃなくて本当に良かった…」
🚨 もしも危険サインが出ていたら? ― 重症度別チェック表
重症度 | 代表的な症状・所見 | 行動のめやす |
---|---|---|
軽症(I 度)熱失神・熱けいれん | - 立ちくらみ・一時的な意識の遠のき - 筋肉のけいれん(こむら返り) - 発汗あり・皮膚は湿っている | ① 涼しい場所へ移動 ② スポーツドリンクで水分・塩分補給 ③ 30 分おきに体温と症状を再チェック |
中等症(II 度)熱疲労 | - 38 °C 前後の発熱が続く - 強い倦怠感・頭痛・吐き気 - 立てない/歩けないほどの脱力 | ① すぐに冷却(氷嚢・扇風機・ぬれタオル) ② 経口補水できなければ医療機関で点滴 ③ 60 分たっても改善なければ受診 |
重症(III 度)熱射病 | - 深部体温 40 °C 以上 - 意識もうろう・呼びかけ反応が鈍い- けいれん・まっすぐ歩けない - 汗が止まる/皮膚が熱く乾く | 119 番通報(救急要請)到着まで徹底冷却: ・衣服をゆるめ全身を冷水でぬらす ・首/わき/足の付け根を氷嚢で冷やす |
これを手元に置いておけば、みかんちゃんのように「炎天下+発熱」で来院したケースでも、保護者に重症度と対応を一目で示せて安心感が高まります。
🚨 もしも危険サインが出ていたら?
🟢:「今回は軽症で済んだけど、もし以下の『危険サイン』が一つでも出てたら、すぐに救急車だったよ」
🔴 危険サイン
- 意識がぼんやり、返事がおかしい
- けいれん、ふらつき、まっすぐ歩けない
- 汗が急に止まる、皮膚が熱く乾く
- 体温が40℃近い、または水分が飲めない
みかんちゃんは意識もはっきりしてるし、水分も飲めてた。汗もかいてたよね?」
🍊:「はい、すごく汗かいてました」
🟢:「それが良かった。汗が止まると体温調節ができなくなって、熱射病になっちゃうからね」
📋 STEP 3:今後の行動チャート
🟢:「これからの過ごし方を確認しよう」
🎯 回復プラン
🟢:「今日は:
- 涼しい部屋で安静
- こまめに水分補給(経口補水液がベスト)
- 無理に食事しなくてもOK、食べられるものから
- 体温を時々チェック」
👩🦰:「明日の学校は?」
🟢:「明日の朝、体調が良ければ大丈夫。ただし部活は2-3日休んで、体を慣らしてから復帰しよう」
📝 STEP 4:病院受診の判断メモ
🟢:「今回は受診の必要はないけど、もし病院に行く時は以下をメモしておくと診察がスムーズだよ」
📋 受診時の準備リスト
🟢:「
- 熱が出た時刻と最高体温
- 飲んだ水分量・トイレ回数
- 家族で同じ症状の人がいるか
- 解熱剤を飲んだか、いつ飲んだか
- 持病や常用薬はあるか
これを覚えておいて」
🏥 今日のまとめ:30分ルールのポイント
🟢:「今日学んだことをまとめよう!」
📚 重要ポイント
🟢:「
- 30-60分で下がらない高熱は感染症寄り
- 熱中症で2時間以上38℃が続くことはほぼない
- 『暑い環境』と『症状セット』を合わせて判断
- 危険サインが一つでもあれば迷わず救急」
🍊:「ありがとうございます!今度はもっと気をつけます」
👩🦰:「30分ルール、覚えました!焦らず観察することが大切なんですね」
🟢:「そう!パニックにならず、順序立てて判断すれば大丈夫。熱中症は予防が一番だから、みかんちゃん、今度はこまめな水分補給を忘れずにね!」
🍊:「はーい!先生、ありがとうございました!」
🎯 予防が一番!明日から気をつけること
🟢:「最後に予防法も確認しておこう」
🛡️ 熱中症予防の基本
🟢:「
- 15-20分おきの水分補給
- 暑さ指数(WBGT)31℃以上では運動中止
- 塩分も忘れずに(スポーツドリンクか塩飴)
- 疲れている時、寝不足の時は特に注意」
👩🦰:「家族みんなで気をつけます!」
🟢:「それが一番!みんなで楽しく、安全にスポーツを楽しもうね!🦕」