
こんにちは。今日は、お子さんの受診のときにぜひ一緒に持ってきてほしい「おくすり手帳」について、ご紹介します。
目次
おくすり手帳が頼れる理由
1)安全性アップ:重複・飲み合わせをチェック
手帳に貼ったシールや記録を見れば、処方の重複や飲み合わせのリスクを医療者がすぐに確認できます。
特に複数科を受診している場合や、季節ごとに薬が変わるお子さんにとって大切です。
2)既往歴の“想定”ができる
おくすり手帳の履歴から、過去の病気や治療の方向性をある程度推測できます(診断の決めつけではありません)。
たとえば:
- 吸入薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の継続 → 喘息の治療歴があるかも
- 抗生物質が繰り返し処方 → 中耳炎や扁桃炎を反復していた可能性
- 抗アレルギー薬や外用ステロイドの長期使用 → アトピー性皮膚炎やアレルギー症状の既往
こうした「手がかり」は、初診や久しぶりの受診でも診察をスムーズにし、無駄な検査・投薬の回避につながります。
3)親の“うっかり”をフォロー:忘れていた情報を思い出せる
「前にどの薬で湿疹が出たっけ?」「飲みづらかったのはどれ?」——忙しい子育てでは記憶だけに頼るのは大変。
手帳を見れば忘れていた副作用・飲み残し・効果の実感などをその場で確認できます。
4)情報の携帯性
旅行先や災害時、夜間救急などで受診しても、手帳を見せるだけで必要な情報を正確に共有できます。情報の“携帯性”は安心につながります。
今日からできる!おくすり手帳の使い方
- シールはその日のうちに貼る(もしくはアプリで記録でもOK)。
- 気づいたことを短くメモ:「咳は夜に悪化」「飲むと眠くなる」など。
- 診察・健診・予防接種でも毎回持参(母子手帳・保険証と一緒に)。
- 手帳は1冊に集約(複数冊の並行使用は情報が分散して危険)。
上記のことを気をつけることで、おくすり手帳たんなる薬の記録帳以上の働きをしてくれるようになります!
まとめ
- 安全性:重複・飲み合わせをチェックしやすい
- 推測力:薬歴から既往歴の想定ができ、初診でも話が早い
- 再現性:親の“うっかり”を補い、前回の反応や効果を共有
- 携帯性:救急・旅行・災害時にも強い味方
おくすり手帳は、お子さんの健康を守る「ちいさなヒーロー」です。 次の受診から、ぜひ忘れずにお持ちくださいね。