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要約
赤ちゃんの便の色は、胆汁のはたらきや腸内環境で黄色〜緑色に変わります。多くは元気なら様子見でOK。
ただし「赤・黒・白(灰白)」や、発熱・嘔吐・著しい下痢などを伴うときは受診が必要です。ご家庭での観察ポイントと受診の目安をご紹介します。
うんちの色はなぜ変わる?~ キーワードは「胆汁」
- 黄色い便:肝臓で作られる胆汁色素(ビリルビン)がそのまま色になります。母乳・ミルク期に多い鮮やかな黄色〜黄褐色は“正常”です。
- 緑色の便:
- 便が腸内に長くとどまり胆汁が酸化すると緑色寄りになります。
- 乳糖の多い母乳などで腸内がやや酸性になる影響、腸内細菌のバランスやpHでも緑っぽく見えることがあります。

元気・食欲あり・機嫌よし——この三拍子がそろっていれば、黄色〜緑色はほとんどが生理的な範囲です。
まずは安心材料チェック(おうちでできる)
- いつも通り機嫌がよい/笑う/泣く力がしっかりしている
- 授乳量・食欲が大きく落ちていない
- 便の回数や性状が極端に水っぽくない(軽いゆるさはOK)
- 発熱・嘔吐がない、または軽くて半日〜1日で改善傾向
このあたりが保たれている緑色便は、数日様子見でも大丈夫なことが多いです。
受診の目安(緑色便が続くとき/迷ったら)
次のいずれかがあればできるだけ早めに小児科へ。
- 全身状態がいつもと違う(ぐったり・笑わない・反応が弱い)
- 授乳量の低下/哺乳不良がはっきりある
- 発熱(特に3か月未満で38.0℃以上)、繰り返す嘔吐
- 下痢が増えて水様便が続く、血便や粘液便が混じる
- 体重減少や脱水サイン(おしっこが少ない・口が乾く・泣いても涙が出にくい)
色でわかる“要注意サイン”
色 | こんなときは注意 | 目安 |
---|---|---|
真っ赤(鮮血) | 肛門裂傷〜腸炎など | 出血が続く/量が多いなら受診 |
黒(タール様) | 上部消化管出血などの可能性 | 早めに受診を |
白・灰白色 | 胆道閉鎖症などで胆汁が出ていないサイン | 至急受診。新生児〜乳児期は特に要警戒 |
迷ったら写真を撮って受診時に見せてください(当院ではWeb問診で送信可能)。色の伝達が正確になります。
おうちでの観察&ケアのコツ
- うんちメモ(色・回数・量・におい・機嫌・発熱の有無)を2~3日つける
- 水分・授乳は普段通りをキープ
- おむつかぶれ対策:こまめに交換、優しく洗い、ワセリンなどで保護
- 受診時は母乳/ミルクの種類・摂取量、服薬歴、予防接種直後かなどの情報を
よくある質問
Q. 緑色が数日続いています。大丈夫?
A. 元気・食欲が保たれていれば多くは生理的。ただし上の「受診の目安」に当てはまる変化が出たら相談しましょう。
Q. ミルクや母乳で色は変わりますか?
A. 変わります。母乳やミルクのみの時期は黄色〜黄緑の幅がふつう。腸内環境や便の通過時間でも色合いが揺れます。
Q. 食物や薬で色が変わることは?
A. 離乳後は緑の葉物などで緑っぽく、鉄剤/鉄強化ミルクで黒っぽく見えることがあります。
まとめ
- 「黄色〜緑色」は赤ちゃんではよくある正常範囲。元気・食欲・機嫌が保たれていればまず安心。
- ただし「赤/黒/白(灰白)」や発熱・嘔吐・水様下痢・哺乳不良があれば受診を。
- 迷ったら写真を撮って相談。親御さんの「勘(いつもと違う)」も大切です。どうか一人で抱え込まずに、ご相談ください。応援しています!