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「点滴で一発で治してください」にお答えします—風邪に点滴は“治療薬”ではありません

外来でときどき「点滴で一発で直してください」とお願いされます。

お気持ちはとてもよくわかりますが、風邪(かぜ)の原因は多くがウイルスで、点滴の中に“ウイルスを直接退治する薬”は入っていません。

点滴は主に水分・電解質を補うための治療で、風邪そのものを治す特効薬ではないのです。

点滴で「楽になる」理由

点滴後に「楽になった」と感じることはありますが、これは水分補給で体がラクになること休息、そしてプラセボ効果(治療を受けた安心感)による面が大きいと考えられています。

医学的に「点滴で風邪が早く治る」という根拠は示されていません。(時事メディカル, All About(オールアバウト))

こんな時は点滴を検討

普段どおりに水分がとれるなら、一般的な風邪で点滴は不要です。

一方で、吐き気・下痢・高熱でぐったりして飲めない/脱水が心配といった場合には、点滴で水分・電解質を補う判断をすることがあります。

「ビタミン点滴で風邪が早く治る?」について

いわゆる「ビタミン点滴」が風邪に有効という確かなエビデンスは現時点で明らかではありません

自由診療として行われることはありますが、効果は限定的と考えられます。

まとめ

  • 風邪は点滴では治りません。回復のカギは休養・水分・栄養です。
  • 点滴は脱水などのときに体調をサポートする補助療法。飲めるなら基本は不要です。

つらい時期こそ無理せず、こまめな水分・十分な睡眠を。長引く、高齢の方や基礎疾患のある方、強い脱水が疑われる場合は早めに医療機関へご相談くださいね。応援しています。

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