子どもの病気

中学生にもわかる「車酔い」対策ガイド—今日からできる実践テク—

こんにちは。ここでは、「どうして酔うの?」から「今日すぐにできる対策」まで、解説します。

最近、修学旅行に行くときの車酔い対策について質問を受けることが多いです。

つらい時間を少しでも楽にして、出かける時間をもっと楽しくしよう。

1)車酔いはなぜ起きるの?

耳の奥には三半規管(さんはんきかん)という、体のバランスを感じ取るセンサーがあります。車やバスで上下・左右に揺られ続けると、目から入る情報と三半規管の情報が食い違い、めまい・吐き気・頭痛・冷や汗などが起きます。これが「乗り物酔い(動揺病)」です。

年齢との関係もあります。乗り物酔いは、未就学児では少なめですが、小学生〜中学生くらいで増えてきます。体のバランス機能が発達して刺激に敏感になる時期だからです。

2)出発前にできる準備

A. 体調をととのえる

  • 寝不足・疲れは酔いの大敵。前日はしっかり睡眠
  • 空腹も満腹も避ける。軽く消化の良いものを。たとえば「おにぎり半分+水」など。

B. 持ちもの

  • 水分(常温の水やお茶)
  • 小さめのビニール袋(万一のとき安心)
  • ひんやりタオル(首元を冷やすと楽になる人が多い)
  • 小さなマスク(においが苦手な人向け。強いにおいは酔いやすくなります)

C. 心の準備

  • 「今日は大丈夫」「工夫すれば乗り切れる」と自己暗示。不安が強いと症状は悪化しやすいから、落ち着く呼吸を練習しておく(4秒吸って、4秒止めて、8秒吐く)。

3) 乗っている最中のコツ(席選びが勝負)

席をえらぶ

  • いちばん揺れが少ないのは前方(バスや飛行機は前方、車ならできれば助手席)。
  • 進行方向に向いて座る。後ろ向きはNG。

景色の見方

  • 近くの本・スマホは見ない。目と三半規管がケンカします。
  • 遠くの景色や地平線を見る。目と体の情報がそろいやすくなります。

空気とにおい

  • 強いにおい(芳香剤・香水・ガソリン臭)を避ける。
  • 換気で新鮮な空気を入れる(可能なら窓を少し開ける)。

体勢

  • 頭をシートにあずけて背中を密着。姿勢を安定させる。
  • 小休憩のときは軽く歩く+深呼吸でリセット。

4) 「気持ち悪いかも…」となったら(応急ワザ)

運転者に伝えて休憩:安全な場所に停めてもらい、外気+水分で回復。

すぐ止まれないときは、

  • 遠くを見る
  • 目をしっかり開ける(視界を安定させる)
  • シートを少し倒して横向きに(楽な姿勢)
  • 首すじを冷やす(血管をしめて吐き気が和らぐ人がいます)

5) 酔い止めの薬について(心強い相棒)

  • 予防として乗車の30〜60分前に服用すると効果的。
  • 気分が悪くなってからでも症状を和らげる目的で使える製品もあります。
  • 年齢・用量は製品ごとに違うので、説明書をよく読むか薬剤師・医師に相談を。

薬は「お守り」になるだけでも安心感が増し、症状が軽くなる人は少なくありません。

6) 日ごろのトレーニング(小さな積み重ねが効く)

ブランコ・鉄棒・でんぐり返し・平均台など、バランス感覚を遊びで鍛えると、揺れへの慣れがつきやすくなります。部活のウォームアップに目と体のバランスをそろえる運動(片足立ち、ゆっくり首を回して止める等)を取り入れるのもおすすめ。

7) これだけは避けようリスト(チェック用)

  • 出発前の寝不足
  • 空腹・満腹どちらかにかたよる食事
  • スマホ・読書など近くを見る行為
  • 強いにおい(車内の芳香剤・香水・食べ物)
  • 後ろ向きの座り方や、不安定な姿勢

8) まとめ:工夫すれば、必ず楽になる

車酔いは「体のセンサー」と「目の情報」のズレで起きます。席・視線・空気・姿勢・心を少し整えるだけで、ぐっと楽になります。今日は一つでいいので、新しい工夫を試してみて。それが次の「大丈夫」に必ずつながります。


参考

子どもの乗り物酔いの原因とその対策(子どもと医療)(子どもと医療)

-子どもの病気

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