おとなの病気

寝だめでは返せない「睡眠負債」という考え方

① こんな生活、心当たりありませんか

平日は仕事や家事で忙しい。
気づけば睡眠は6時間前後。

でも休日は、
・目覚ましをかけずに昼近くまで寝る
・「これで回復したはず」と思っている

正直、
「ちゃんと寝てるし、自分は大丈夫」
そう思っていませんか。

実はそれ、
知らないうちに“睡眠負債”がたまっている状態かもしれません。


② 結論:毎日の小さな寝不足は、体に積み上がる

先に結論から言いますと、

睡眠は、週末の寝だめでは取り戻せません。
平日の小さな寝不足は、
少しずつ体に蓄積していきます。

これを「睡眠負債」と呼びます。

大きな不調がなくても、
体はちゃんと“帳簿”をつけているのです。


③ 睡眠負債とは何か

睡眠負債は、とてもシンプルです。

本来必要な睡眠 − 実際にとれた睡眠
この差が、毎日たまっていく状態。

たとえば、
1日1時間足りない日が続くと
1週間で7時間分の不足。

これ、感覚的には
「借金」とほぼ同じです。

最初は平気。
でも気づかないうちに、じわじわ効いてきます。


④ なぜ寝だめでは返せないのか

よくある誤解が、ここ。

「休日にたくさん寝れば大丈夫」

残念ですが・・・、
体はそんなに単純ではありません。

睡眠には
量だけでなく、リズムがあります。

休日に昼まで寝ると、
体内時計がズレます。

すると、
・日曜の夜に眠れない
・月曜の朝がつらい

これは回復ではなく、
軽い時差ボケ状態

寝だめは、
借金返済というより
返済日をズラしているだけなんです。


⑤ 睡眠負債が体に与える影響

睡眠負債はこんな形で出やすくなります。

・集中力や判断力の低下
・イライラしやすい
・気分が落ち込みやすい
・風邪をひきやすい
・血圧や血糖、体重への影響

「年齢のせい」
「気合が足りない」

そう片づけられがちですが、
実は睡眠の影響だった、ということもありうるのです。


⑥ こんなサインは要注意

自分に当てはめてみてください。

・休日に9時間以上寝てしまう
・午後になると強い眠気が出る
・何もしていないのに疲れている
・寝てもスッキリしない

1つでも当てはまれば、
睡眠負債がたまり始めている可能性があります。

「まだ大丈夫」な今が、
いちばん気づきやすいタイミングです。


⑦ 今日からできる、現実的な対策

完璧を目指す必要はありません。

ポイントは、
少しずつ返すこと。

・平日の睡眠を15〜30分だけ増やす
・休日も起きる時間を大きくずらさない
・「寝よう」と頑張らず、起きる時間を整える

いきなり8時間睡眠は無理でもOK。

毎日、
少しずつ返済していく感覚で十分です。


⑧ まとめ:眠れないのは、怠けじゃない

睡眠負債は、
特別な人だけの話ではありません。

意志の弱さでも、
年齢の問題でもない。

ただ、
体の仕組みの話です。

だからこそ、
責めるより、気づくこと。

「眠れない」は、体が出している“アラーム”かもしれません。

今日の睡眠、
15分だけ見直してみませんか。

-おとなの病気

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