
「インフルエンザB、同じシーズンに2回なることってありますか?」
患者さんからそんな質問をいただきました。結論から言うと、ほぼありません。ただ「ゼロではない」理由もあるので、整理しておきます。
一度かかると、しばらく免疫ができる
インフルエンザBに感染すると、体の中に「このウイルスは知っている」という免疫の記憶が数ヶ月残ります。同じシーズン中に同じウイルスが入ってきても、免疫がはたらいて発症しにくくなります。
さらにインフルエンザBは、A型と比べてウイルスの形が変わりにくいという特徴があります。同じシーズン内で「変異して別物になった」という事態は起きにくいのです。
ちなみにインフルエンザBには以前「山形系統」と「ビクトリア系統」という2種類が存在していました。もし両方が流行していれば、片方にかかった後にもう片方にかかる可能性がありました。しかし現在、山形系統はほぼ世界中で確認されなくなっています。事実上1種類になったため、「B型に2回」はさらに起きにくい状況です。
では「2回かかった」という話はなぜ出るの?
実際の診察でよく見られるパターンはこちらです。
1. AとBを混同している
「インフルエンザに2回かかった」という場合、最初がA型・次がB型というケースがよくあります。AとBは別のウイルスなので、片方に免疫ができても、もう片方には効きません。これが最も多い理由です。
2. 検査結果が誤りだった可能性がある
インフルエンザの迅速検査は万能ではありません。感染初期は陰性に出ることがありますし、まれに誤って陽性が出ることもあります。「2回かかった」ように見えても、実は一方の検査結果が正確でなかったというケースもあります。
例外的に2回かかりやすい人もいる
免疫の力が弱い方(免疫に関わる病気をお持ちの方や、一部の高齢者など)は、感染後に十分な免疫がつかないことがあります。こういった場合に限っては、再感染の可能性がゼロとは言えません。
まとめ
| 可能性 | |
|---|---|
| 同じシーズンにB→B | ほぼない |
| 同じシーズンにA→B(またはB→A) | ある |
| 検査の誤りで「2回」に見えた | よくある |
「また同じインフルエンザに?」と感じたら、まずA型とB型を区別して考えてみてください。不安なときはお気軽にご相談ください。