
「熱っぽいし、最近なんか疲れやすいから貧血もチェックしてほしい」——そんなご要望をいただくことがあります。気持ちはとてもよくわかるのですが、実は風邪のときに貧血検査をしても、正確な結果が出にくい場合があるんです。
▍貧血を調べるとき、フェリチンという値を見ます
貧血の原因として最も多いのは「鉄不足」。鉄が足りているかどうかを調べるときに使う検査値のひとつがフェリチンです。体内の鉄の貯蔵量をあらわす値で、これが低いと「貯金が底をついている状態」=鉄欠乏、ということになります。
▍ところが、熱があるとフェリチンが「偽高値」になる
フェリチンは、体が炎症を起こしているときに値が上がる性質があります。つまり、風邪で微熱が出ている状態で採血すると、本当は鉄が不足していても、フェリチンが正常〜高めに出てしまうことがあるんです。
例えばこんなケース
本来のフェリチンは 8 ng/mL(低値)なのに、風邪で炎症が起きているせいで 40 ng/mL(正常範囲内)として測定される、ということが起こりえます。
▍CRPと一緒に見れば少しわかることも
もし風邪のときに採血の結果が出た場合は、炎症の程度を示す CRP という値と組み合わせて判断します。
| CRPの状態 | フェリチンの読み方 |
|---|---|
| 陰性〜軽微 | ある程度信頼できる |
| 上昇あり | 参考値止まり。治ってから再検が安心 |
また、血液検査の血球計算で赤血球の大きさや色調を見ると、炎症があっても鉄欠乏のパターンかどうかある程度推測できることもあります。でも、たいていは元気になったら再検査しましょうってことになってしまいます。
▍結論:貧血検査は「元気なとき」が一番正確
熱が下がって、体調が落ち着いてから改めて採血するのが、一番シンプルで正確です。
「熱があるとフェリチンという値がずれることがあるので、風邪が治ってから測り直しましょう。せっかく採血するなら正確な値で確認したいので!」
この記事のまとめ
- フェリチンは炎症で偽高値になる急性期反応物質
- 風邪・微熱のときに検査しても正確な結果が出にくい
- CRPやCBCと合わせてあるていどは判断することは可能
- 貧血の精査は体調が回復してから行うのがベスト