最近のおこさんは予防接種の種類が増えて、ご両親やお子さんへの負担はおおきいですよね。
当クリニックでもお子さんの予防接種を行っています。
泣いてしまうおこさんがほとんどですが、子どもが少しでも前向きに予防接種を受けられるようになるには、大人たちの関わり方がとても大切です。
予防接種の前には子どもに説明をしましょう
ある程度の説明を理解できる年齢の子には子供にちゃんと説明しましょう。注射のストレスを減らすには事前の説明が有効であることがわかっています。
ときおり見かけるのですが、予防接種をすることを隠して受診するご両親を見かけます。受診してから予防接種だったと知ったお子さんは、だまされたと思いひどく傷つきます。そして、暴れたり怒ったりします。
どのくらい前に伝えるかは子どもの年齢や性格にもよりますが、受診前日から当日朝までには伝えましょう。
「〇〇ちゃん。明日、病院に注射をしにいくよ。悪い病気から守るためにとっても大切なんだ。少しチクッとするけど、ママにギュッとしていればすぐに終わるよ」と、目を見ながら静かなやさしい声でお話してあげてください。
もしかしたら怖がって泣くかもしれません。「でも、ママ(パパ)がずっと近くにいるから、心配はいらないよ。泣いてもいいんだよ」とゆっくりと伝えてあげてください。
子どもの年齢によっては、予防接種を題材とした絵本を読み聞かせたり、予防接種の流れを簡単に説明してあげたりすると、イメージができて恐怖心が和らぐことがあります。
子どもの性格によりますが、「痛くないよ」「今日は注射しないよ」などとウソをついたりごまかしたりすると子どもとの信頼関係が壊れかねないので可能な限り避けてください。
予防接種のときには子どもに声かけをしましょう
いよいよ予防接種を打つときです。
クリニックでは「今から消毒するよ。冷たいよ。その後にちくっとするけど、すぐに終わるよ」などとこれから何が行われるのか、どんな風に感じる可能性があることなのかを子どもに説明し、心の準備ができるようにします。
「大切な注射だからがんばろう」「泣いても良いよ。でも動いちゃうと危ないから、ママにぎゅって抱きついていよう」など、子どもの感情を尊重しつつ、一緒に頑張れるように声をかけて応援してあげてください。
「こんなの怖くないでしょ!」とか「すぐ終わるから我慢しなさい」といった否定的な声かけはダメです。子どもにとって注射は恐怖です。子どもの感情を否定せずに恐怖の感情に寄り添ってあげてください。
予防接種が終わったら、子どもをほめてください!
たとえ最後まで全力で抵抗して号泣して予防接種を打ったとしても、注射が終わったらギュッと抱きしめて、思いっきり褒めてあげてください!
もちろん医師やスタッフもたくさんほめますよ。
注射をポジティブな記憶で終わらせて、やり遂げたことをしっかりと自信にしてあげましょう。自信がつけば、次回以降はさらに頑張れるかもしれませんよ。
抱きしめてあげることは痛みを和らげるためにとても大切です。信頼できるパパママに抱きしめられることでβエンドルフィンという脳内物質が分泌され、そえは強い鎮痛作用があることがわかっています。
さいごに
予防接種は病気から健康を守るためにとても大切なものです。しかし、子どもにとっては慣れない怖いものです。
私たちもパパやママと一緒に、予防接種が子どもにとって辛いだけの体験にならないようにお手伝いをしていきます。