
インフルエンザが疑われる症状が出たとき、検査をすれば確定診断ができると思いがちですが、実は「いつ検査を受けるか(タイミング)」が診断の精度に大きく影響します。
タイミング次第で同じ人でも結果が異なることがあるため、正しい理解が大切です。
目次
よくある疑問:症状が出たらすぐ検査して良い?
結論から言うと、発熱やだるさなどの症状が出てすぐの検査は精度が低いことが多いです。
インフルエンザの検査は、鼻や喉の奥から採取した分泌物(検体)に含まれるウイルスを検出します。
しかし、ウイルスが体内で増えていない初期段階では検出しにくく、偽陰性(実際は感染しているのに陰性と出ること)の確率が高くなります。これは多くの臨床データで確認されています。
具体的なイメージ
- 発症して1〜2時間後 → ウイルスが十分増えておらず陽性になりにくい
- 発熱後12〜24時間 → ウイルス量が増え、検査で捉えやすくなる
- 48時間以上 → ウイルス量が減り始め、再び検出しにくくなる可能性あり
こうした経過は多くの専門家が示す「検査精度の時間変化」と一致しています。
子どもは早く陽性になりやすい、大人は遅れがち
一般的に、子どもはウイルスの増殖が比較的早く進む傾向があり、そのため発症当日でも検査で陽性になりやすいことがあります。
大人の場合はウイルス増殖がやや遅れることが多く、同じタイミングでも陰性になることがあるため、時間を置いて再検査することがよくあります。
兄弟・親子で受診すると
「子どもだけ陽性、親は陰性」
という現象が起こりやすいのは、このためです。
検査の精度が高いのは「発熱から12〜24時間後」
多くの臨床データから、検査の正確性が最も高いのは
発熱してから12〜24時間後
のタイミングとされています。
ただし、これはあくまで“一般的な目安”です。
熱や症状がつらいときは?
検査の「精度」を重視するあまり、症状がつらいのに時間を待つ必要はありません。
次のような状態であれば、検査のタイミングに関係なくすぐ受診してください:
- 呼吸が早く苦しそう
- 水分が取れない
- ぐったりしている、意識がいつもと違う
- 持病があり体力が落ちやすい場合
こうした場合は、検査の結果よりも安全性を優先した対応が重要です。
シンプルな行動指針
熱が出た直後〜すぐ
- 精度は低い可能性あり → 体調管理を継続。検査するには精度が低い可能性が高いです。
発熱から12〜24時間
- ウイルス量が増え、検査の精度が上がる時期 → 目安として最も信頼度が高い
48時間以上経過
- ウイルス検出量が減る可能性 → 症状や診察を優先
ただし、体調不良が強い場合はこの限りではありません。
まとめ(ポイント)
- インフルエンザ検査は「検査のタイミング」が結果に影響する。
- 発熱から12〜24時間後に検査するのが比較的正確。
- 子どもは比較的早く陽性になりやすく、大人はやや遅れることがある。
- 強い症状がある場合は、時期に関係なく医療機関に相談する。
インフルエンザの検査で陽性・陰性の結果に一喜一憂せず、症状の出方や進み方、周りの流行状況を含めて総合的に判断することが大切です。
【この記事を書いた医師】
南22条おとなとこどものクリニック 院長
小林 俊幸
小児科・総合内科
この記事は、札幌市で日常診療を行っている医師が、
診察室でよく受ける質問をもとに執筆しています。
▶ 院長プロフィールはこちら