家族の「歯ぎしり」が気になるという方はいませんか?
外来で相談を受けたのですが、以下のような記事を見つけました。
一緒に寝ることにストレスを感じる妻が7割。その本音とは?
「本当はひとりでゆっくり寝たい」妻は7割、夫は3割
■一緒に寝るとき、何にストレスを感じますか?
【男性】
1位 いびき 11%
2位 ニオイ 6%
3位 寝相 4%
【女性】
1位 いびき 38%
2位 ニオイ 15%
3位 「歯ぎしり」/就寝・起床の時間が違うこと 3%
女性がストレスに感じことの第3位が歯ぎしりをする人の隣で寝ることのようです。
今回は歯ぎしりについて調べました。
「歯きしり」とは
「歯ぎしり」は、別名「ブラキシズム(口腔内悪習慣)」といいます。歯を擦り合わせたり、過度に歯を噛みしめたりする動作のことです。無意識のうちに行っている人がほとんどです。
横方向にギリギリとこすり合わせるものをグライディング、上下の歯をぐっと噛みしめるものをクレンチング、上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作をタッピングと呼びます。
小児期にはおよそ1/3の子どもに認め、成人の8%くらいに「歯ぎしり」を認めます。
「歯ぎしり」はどうして起きるのか
「歯ぎしり」が起きるメカニズムははっきりとはわかっていません。原因として以下のものが考えられております。
- ストレス(環境の変化、疲労、悩み)
- 歯並びの不正(歯の噛み合わせに違和感を感じ、歯ぎしりをしてしまう)
- 普段から歯と歯を接触させる癖がある
- 過度の飲酒
- 喫煙
- 薬剤
- 睡眠時無呼吸症候群(呼吸が止まっているときに歯ぎしりします)
- 逆流性食道炎
正直言って意外な原因ばかりです。「歯ぎしり」が気になる方は自分の生活習慣を見直し、歯ぎしりの原因となるような習慣などがないか確認してみてください。
「歯ぎしり」を放っておくとどうなるのか
歯ぎしりを長期間放っておくと以下のような色々な症状を引き起こす可能性があります。
- 歯や顎に大きな負担となり、痛めることになります。歯が砕けたり、歯根にヒビが入ったりすることもあります。
- 顎関節症を発症し、口を十分に開くことができなくなります。
- 歯並びが変わる
- 歯周病の増悪
- 首や肩コリ、頭痛
- 不眠
- コスメティック(歯ぎしりのため顎周りの筋肉を過剰に使うため、顎の筋肉が発達し、エラが張っているような感じになる)
治療はどうするのか
「歯ぎしり」の治療には以下のような治療があります。
- マウスピース(ナイトガード)を装着
- 噛み合わせの調整
- 内服薬(clonidine、clonazepam)
- 生活習慣の改善(質の良い睡眠、ストレスをなくす
もっとも一般的に行われている治療は、マウスピースを用いた方法です。 睡眠中にマウスピースを装着することで上下の歯が直接当たらないようにすることができます。 もし、歯ぎしりをしてしまったとしても歯の摩耗や欠損を防げます。「歯ぎしり」の音も防ぐことができます。歯科を受診することで噛み合わせの評価も実施してもらいましょう。
思い当たる原因があれば、それに対して診断・治療を考えましょう。
「歯ぎしり」は放っておくとさまざまな症状を招きます。朝起きた時に、歯や顎が痛いなどといった自覚症状がある、家族に指摘されるという方は、ぜひ歯科で相談してみてください。