赤ちゃんの顔の肌荒れがひどい!頭に「かさぶた」や「うろこ」のようなものがついている!
生後2〜3週を過ぎたころからこのような相談を受けることが多いんです。赤ちゃんならではプニプニのお肌ではないことでショックを受けることもあると思いますが、きちんとしたケアをすることできれいに治ります。
初めて赤ちゃんを育てる時にはほんとうに色々なことが起こりますが一つ一つ解決していきましょう。
赤ちゃんの顔にも「ニキビ」ができる
ニキビは思春期だけではなく、赤ちゃんの顔にもできることがあります。これは、赤ちゃんの20%に認めることです!決してマレなことではありませんよ。
女の子よりも男の子に多いんです。 生まれて2週間ころから目立ち始めて、数か月以内に自然に消失することがほとんどです。
でも、スキンケアを間違えるとなかなか治りにくくなることがあるので注意が必要です。
赤ちゃんのニキビはどうしてできるのか?
赤ちゃんはママのお腹の中でもらったホルモンの影響で皮膚からでる脂分(皮脂)の分泌が盛んなのです。
皮脂は、毛穴の奥にある皮脂腺から作られます。生まれてきた赤ちゃんは、このホルモンのおかげで毛穴からたくさん皮脂が出てくるので、肌がしっとりとしています。油でギトギトしているともいえます。
赤ちゃんのニキビのできかた
皮脂がたくさん分泌されると毛穴に詰まってしまい炎症(にきび)を起こします。赤ちゃんの皮脂の通り道は細いのでつまりやすくて炎症を起こしやすいのです。
新生児ニキビの症状
代表的な新生児ニキビの症状を紹介します。
新生児ざ瘡
赤や白のポツポツは「新生児ざ瘡」と呼ばれています。生後2週頃からみられます。主に顔に、成人にできるニキビのような赤や白のポツポツの炎症ができます。外来でよく相談を受けます。
自然に治ることが多いですが、重症の場合は軟膏による治療が必要となることがあります。男の子に多い傾向があります。
乳児脂漏性皮膚炎
白・黄色の厚いかさぶたは「乳児脂漏性皮膚炎」と呼ばれます。生後1カ月ころから顔・頭皮などの皮脂腺が多いところに目立ちます。こちらもよく外来で相談を受けます。
過剰な皮脂により白と黄色が混じったような厚めのかさぶたのような塊(皮脂)が無数につきます。頭皮や眉毛によく認めます。痛みやかゆみはないことがほとんどです。
新生児ニキビはいつ治るの?
新生児ざ瘡は生後数ヶ月たって、皮脂の分泌が落ち着くころには徐々に軽い症状になっていく場合がほとんどです。
特別な治療は必要ないことがほとんどです。正しいスキンケアで経過をみましょう。まれに感染を起こして抗生剤での治療が必要となることもあります。
正しいスキンケア
ベビー用の石けんをしっかり泡を立てて、こすらないように、撫でて洗ってあげてください。決してゴシゴシとこすらないでください!
頭皮や眉毛に固まって付いた皮脂のかさぶたは、入浴前にオリーブ油やベビーオイルで30分くらいかさぶたをふやかしてから、入浴し洗ってあげると取れやすいですよ!
繰り返しますが、絶対に力を入れてこすったり、爪を立てて洗ったりしてはいけません。やさしく洗ってください。お肌が傷んでしまいます。かさぶたは1回では取れなくても、徐々に取れていきます。
皮脂や汚れを洗い流した入浴後に、保湿剤を丁寧に塗ってあげてください。保湿剤はすり込まずにやさしく皮膚にのせる感じで塗ってあげることがポイントです。塗った後にティッシュがひっつくぐらいが目安です。
頭皮にも乾燥を防ぐために、保湿剤を塗ります。頭皮にはローションやフォームタイプのものが塗りやすいです。軟膏を塗ると髪同士がくっついてしまい髪の毛が固まって大変なことになることがあるので注意してください。
日常で気をつけること
衣類、タオルなどは、清潔なものが肌に触れるように気をつけてください。衣類や寝かせているガーゼやタオルなどに皮脂がついたままにしておくとベタベタしてチリやホコリが付着する原因になります。
また、暑すぎたり湿度が高すぎると皮脂の分泌も盛んになります。部屋の気温や湿度を適正に保ちましょう。