内科&小児科

保湿剤の使い分け【乾燥からお肌を守る!】

徐々に寒さが厳しくなりました。

室内で暖房を使用して乾燥する季節になり、

ご相談が多いのが、

乾燥による肌荒れです。

普段から保湿をされていらっしゃる方も多いと思いますが、

保湿剤には2種類あることを知ってますか?

保湿剤をふだんから使用されている方であっても、

よく知らない方もいらっしゃるのではないかと思います。

今回は、乾燥から肌を守る効果的な保湿方法について、

お話しします。

お肌の構造の話

皮膚の表面には、

皮脂膜という脂(あぶら)の膜がワックスのように覆っています。

その下に角層、顆粒層という組織が並び、

この部分までが皮膚バリアと呼ばれます。

約0.02mmと非常に薄いのが特徴です。

正常な皮膚の特徴

健康な状態であれば皮膚バリアのおかげで細菌やアレルゲンなどの刺激から肌を守る働きをします。

また、バリアが皮膚をおおうことで、水分が蒸発していくのを防ぎ、潤いを保つことができます。

保湿剤は大きく二つに分けられる!

保湿剤は大きく二つに分けられます。

エモリエントとモイスチャライザーです。

エモリエントの特徴

エモリエントは「膜を張ることで水分の蒸発を防ぎ、乾燥しないようにするもの」です。

皮脂膜を強化してくれます。

エモリエントにはワセリンや亜鉛化軟膏が含まれます。

モイスチャライザーの特徴

モイスチャライザーはエモリエントに保湿成分を追加したものです。

皮膚に水分を供給し、直接的な保湿をしてくれます。

モイスチャライザーにはヘパリン類似物質や尿素などが含まれます。

保湿剤は「ヘパリン類似物質」がオススメ

保湿力の強さに関してはモイスチャライザーである「ヘパリン類似物質」が強いです!

「ヘパリン類似物質」を塗ることで

「尿素」や「ワセリン」よりも

肌の水分量が増えることが示されています。

「ヘパリン類似物質」は、

病院で処方される「ヒルドイド」や「ビーソフテン」の主成分。

ヒルドイドには軟膏やクリームタイプ、ローションタイプ、泡タイプと色々あります。

乾燥が気になる時は、軟膏やクリームタイプ。

夏でサラッとつけたい時はローションタイプ。

といった使い分けがおすすめですが、

保湿力の差には大きな差はありません。

「ヘパリン類似物質」が入っていれば、

どのタイプを選ぶかは好みです。

尿素に注意

尿素は尿素は角質を溶かす作用もあるので、

長期に使うと刺激性があるので注意が必要です。

化粧水の保湿効果

化粧水を使用している方もいらっしゃると思いますが、

エモリエントやモイスチャライザーの成分が入っていない化粧水は、

保湿効果が期待できません。

第二類医薬品か?医薬部外品か?

市販の「ヘパリン類似物質」を含んだ商品を選ぶ際は

「第二類医薬品」を選んでください。

「ヘパリン類似物質」を含む市販の商品は多数ありますが、

実は濃度が薄いものも多数発売されています。

病院で処方された薬が薬局でも買えるの?

「第二類医薬品」と書かれている保湿剤を選べば大丈夫です。

処方で出せる0.3%という成分量が含まれています。

成分量の記載がない医薬部外品のものは

0.3%ではない可能性があるので確認が必要です。

エモリエントの使いどころ

ワセリンなどのエモリエントは

皮膚をガードする力がとても強いです。

くちびるに塗って保護してあげる、

おむつかぶれに亜鉛華軟膏を塗って保護してあげたり

と使い分けて医師は処方してます。

まとめ

保湿剤にはモイスチャライザーとエモリエントがあり、

用途が少し違います。

「ヘパリン類似物質」を含んだモイスチャライザーの方が

保湿効果が高いです。

当院では保湿剤だけでの処方も可能ですので是非ご来院ください!

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