旅行や遠出をすると気分が爽快になることがありますよね。コロナ感染の流行によりなかなか遠出ができなかった反動で旅行に行く人が増えているのは、旅行することで気分が良くなったりリラックスできるからです。
最近の研究によれば、移動することが人間に幸福感をもたらすことが証明されてきました。米マイアミ大学のアーロン・ヘラー准教授を含む研究チームは132人の被験者を対象にGPS追跡と心理状態のアンケート調査を行い、興味深い結果を得ました。
「人は移動するほど幸せを感じる」という研究成果 「遠出するとスカッ」は本能かも
研究結果によると、日々の身体的な位置の変動が人間のポジティブな感情の増加と関連していることが明らかになりました。
特に、新しい場所に行くなどの探索的な活動をする日には、より幸せを感じる傾向が見られます。
さらに、幸せを感じる人々の脳内では、記憶や意欲に関わる領域が活発に働いていることも分かっています。
これは、人間には探求欲求が本能的に備わっている可能性を示唆しています。多くの哺乳類が新しい場所や資源を探す行動をすることが知られており、人間も同様に探求欲求を持っていると考えられています。
さらに、移動や探索することは脳にとっても良い影響をもたらすとされています。新しい経験をすることで脳が刺激を受け、ストレスへの耐性が高まり、健康にも良い影響を及ぼすと言われています。したがって、移動や探索は私たちの本質的な欲求の一つである可能性があります。
ただし、移動する距離よりも多様な新しい場所を訪れることが重要であると指摘されています。また、体を動かすことが必須というわけではありません。例えば、電車や車に乗って新しい場所で五感を通じた経験をすることも、ポジティブな感情を高めるのに役立つのです。
移動することで幸福感を得る本能や探求欲求を持っていることが明らかになりました。新しい場所に行くことは脳や健康に良い影響をもたらす可能性があります。旅行や探索を通じて、私たちは自分自身の幸福感を向上させることができるのです。
夏休みには、慣れ親しんだ実家に行くことも良いですが、遠出や今まで行ったことのない近場の場所を選んでみてはいかがでしょうか?