私たちは誰しも、人と繋がりたいという深い願望を持っています。友人との楽しい会話、家族との温かいひと時、同僚との共感…これらはすべて、私たちの日常生活において不可欠な喜びです。
しかし、現代社会は急速に変化し、多くの人々が孤独感に苛まれています。孤独は、私たちの心だけでなく体にも深刻な影響を及ぼします。
「差し迫った健康上の脅威」WHO、孤独・孤立問題の対策委員会を設置
2023年11月15日、世界保健機関(WHO)は、この孤独という世界的な問題に対処するため、「Commission on Social Connection(社会的つながりに関する委員会)」を発足させました。インターネットやSNSで世界中とつながったはずなのに、孤独は世界的な保険上の優先課題になったのです。
この委員会の目的は、世界中で共有される社会的つながりに関する理解を深め、実証に基づいた解決策を推進することです。
11人のメンバーで構成されるこの委員会には、日本からも加藤鮎子孤独・孤立対策担当大臣が参加しています。
WHO Commission on Social Connection
共同議長の一人であるビベック・マーシー氏(米公衆衛生局長官)によると、孤独がもたらす悪影響は、1日に15本のタバコを吸うことと同等であるとのことです。孤独が私たちの健康に及ぼす影響は深刻です。マーシー氏は、今後3年間で孤独を世界的な公衆衛生の優先課題として認識し、社会全体が解決に向けて動き出すことを目指しています。
では、私たちは個人として、また社会の一員として、この問題にどのように取り組めるのでしょうか?
誰にでもあてはまる的確な解答がありませんが、私たちの日常生活における小さな変化から始めることが大切なことだと思います。
友人や家族とのコミュニケーションを増やす、地域社会のイベントに積極的に参加する、孤独を感じている人々に手を差し伸べる。孤独を解消するには小さな一歩を踏み出すが大切でしょう。
WHOの「社会的つながりに関する委員会」の発足は、孤独が単なる個人的な問題ではなく、全世界が直面する公衆衛生の課題であることを認識する重要な一歩です。