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台風と小児ぜんそく——“発作予防”ガイド

はじめに ─ 台風5号、北海道直撃の可能性

気象庁によると、台風5号は 7/14(月)夜に三陸沖を北上7/15(火)には北海道に接近・上陸するおそれがあると発表されています。

【あすの天気】台風5号、北海道に上陸するおそれ

台風シーズンは 小児ぜんそくの悪化相談が急増 する時期でもあります(日本医事新報社)。とくに発作は 夜間に起こりやすい ため、事前の備えが欠かせません。

この記事では、ぜんそくのお子さんを持つご家庭が“今日からできる確認ポイント” をまとめました。

台風前後でも安心して過ごせるよう、一緒にチェックしていきましょう!

1. 台風でぜんそく発作が増える6つの理由

では早速、台風シーズンにぜんそく発作が増える 6つの主な理由 を見ていきましょう。

主な要因どう影響する?ワンポイント対策
気圧の急低下気管支が収縮しやすくなり、自律神経も乱れて気道が狭まる。台風予報を見たら発作止めの吸入薬を手元に。
気温・湿度の急変高湿度と気温差が気道粘膜を刺激し過敏性アップ。エアコンの除湿モードで室内湿度 40–60 %を維持。
アレルゲンの増加(花粉・カビ・ダニ)強風や雨で花粉・胞子が舞い “マイクロ花粉” が深部気道へ。帰宅後すぐ衣類をはたきシャワーで花粉を流す。
室内換気の不足窓を閉め切るためホコリ・ダニが滞留。風雨が弱い時間に短時間換気+除湿機併用。
ストレス・疲労避難や停電の不安で自律神経が乱れ気道過敏性を助長。子どもが落ち着けるルーティン(お気に入り絵本など)を確保。
ウイルス感染の増加秋の台風期は風邪ウイルスが増え、気道炎症→発作を誘発。うがい・手洗い徹底、発熱は早めに受診。

ポイント
気象変化・アレルゲン・ストレスなどが複合的に重なることで発作リスクが跳ね上がります。逆に言えば、一つずつ対策 すれば大幅にリスクを下げられます。(佐野虎ノ門クリニック, 草ヶ谷医院)

2. 準備① 定期薬&発作止めの吸入薬を再チェック

まずは“お守り”となるお薬の確認から始めましょう。

定期薬の飲み忘れ防止と、発作止めの吸入薬の携帯・残量チェックを徹底するだけで、発作時の安心感がぐっと高まります。

チェック項目コツ
定期薬をきちんと服用・吸入台風予報が出た日から服薬アプリでリマインド。
発作止めの吸入薬の携帯必要な場所に常備。
残量確認ピーク時期は早めに処方を更新。

3. 準備② 室内環境を“サラッ”と保つ

それでは次に、ぜんそくの引き金になる湿気やアレルゲンを抑えるために、お部屋を“サラッ”と整えるコツをチェックしていきましょう!

リスク具体策
カビ・ダニ除湿器・エアコンで湿度 40–60 %をキープ。換気。寝具は布団乾燥機で加熱乾燥。
花粉・PM2.5台風一過は飛散量急増。空気清浄機を強モードに。
刺激物室内スプレーや線香は控え、換気は雨が弱い合間に短時間で。

4. 発作が起こったら? “3ステップ行動フロー”

  1. まず発作止めの吸入薬
  2. 5〜10 分後にまだ苦しければ 再吸入
  3. 以下に1つでも当てはまれば 迷わず医療機関へ
  • 呼吸が速い/会話ができない
  • 胸やおなかがペコペコへこむ(陥没呼吸)
  • 顔色が悪い・ぐったりしている

※診療時間内なら当院へまずお電話ください。すぐ処置できるよう準備します。

5. まとめ 〜“備え”が最大の予防薬〜

  • 低気圧・高湿度は発作のトリガー
  • 薬の管理・室内環境・行動フロー の3本柱で先手を打つ
  • 北海道であっても台風に注意が必要。ルーチン化すれば不安は激減します。

お子さんも保護者のみなさんも安心して過ごせるよう、今日からできることを一緒に始めましょう。

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