子どもの病気

昼寝で夜眠れなくなる?――その心配はいりません!

子どもが昼寝をすると 「夜に寝つけなくなるのでは?」 と不安になり、つい昼寝を控えさせたくなることがありますよね。

でも――フランスの研究によると、そんなに心配する必要がないということがわかりました。

1. そもそも、昼寝は悪者?

  • 3〜5歳くらいになると、昼寝を続ける子と自然に卒業する子が入り混じります。
  • 「夜の睡眠が短くなる」といったイメージから、昼寝をやめさせるべきか悩むご家庭も少なくありません。

2. フランス・リヨン大学の調査でわかったこと

リヨン大学の Stephanie Mazza 先生らは、2〜5歳の85人を対象に約1週間、手首型睡眠計で実際の睡眠パターンを測定しました。

項目昼寝をした日昼寝をしなかった日
夜の睡眠時間やや短くなる(約▲13.6分)基準
寝つきまでの時間わずかに延びる(+約6分)基準
24時間の総睡眠時間+約45分増加基準

💡 ポイント

  • 昼寝で夜の睡眠が少し短くなっても、トータルでは約45分長く眠れている
  • 寝つきは数分遅くなる程度で、生活リズムに大きな影響は見られませんでした。

3. 必要な睡眠時間と比べてみると?

  • 米国睡眠医学会(AASM)と世界保健機関(WHO)は、3~5歳児に1日10~13時間の眠りを推奨しています。
  • ところが本研究の子どもたちは、昼寝をしなかった日は平均 9時間20分――推奨より 約40分不足。
  • 昼寝をした日は不足分を補い、ほぼガイドラインを満たすことが分かりました。

4. 今日からできる“安心昼寝”のコツ

子どものサインを優先

目をこすったり、ぼんやりし始めたら無理に起こさず、短時間でも横にならせましょう。

昼寝は60〜90分が目安

長すぎると夜の就寝が大きく後ろ倒しになることがあります。適度に切り上げると◎。

午後遅い時間は避ける

15時までに切り上げると、夜の寝つきへの影響がさらに少なくなります。

就寝ルーティンを崩さない

夕方以降は照明を落とし、静かな遊びに切り替えて「おやすみモード」をキープしましょう。興奮してしまう遊びは日中にしてしまうのが◎。

昼寝=“ごほうび休息”と考える

刺激たっぷりの園生活やお出かけの後は、脳の情報整理タイム。

安心して休ませてあげてください。

    5. まとめ 〜 昼寝は“味方”です

    • 昼寝で夜の睡眠が減ってしまうわけではなく、むしろ 総睡眠量をしっかり確保 できる。
    • 入眠が少し遅れても誤差レベル。成長に必要な休息・記憶の定着をサポートします。
    • 6歳前後までは個人差が大きいので、「もう昼寝は卒業しなきゃ」と焦らなくて大丈夫

    お昼寝は、子どもの健やかな成長を助ける“ひとくち充電”。ママもその間はコーヒーブレイクでリラックスしながら、「よく寝て大きくな〜れ!」 と温かく見守ってあげてくださいね☺️


    参考文献

    1. Reynaud E et al. Hand wrist actigraphy in preschoolers, Research Square, 2025.
    2. “Why you shouldn't worry a nap will stop your child sleeping at night”, New Scientist, 2025 Jul 1.

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