🔄 最終更新日: 2026年4月26日
📅 2025年9月2日 (9ヶ月前に公開)

「感染症ってうつるんですか?どうやって防いだらいいんですか?」
外来でよくいただく質問です。シンプルな言葉ですが、実はとても大事なことが詰まっています。
同じ疑問を持っているお母さん・お父さんへ、この記事を書きました。
結論:多くの感染症は人にうつります。
ただし、人から人へ広がるものと、広がりにくい/ほぼ広がらないものがあります。違いを知っておくと、家庭での対策が立てやすくなります。(参考:厚生労働省「感染症情報」)
うつりやすい(人→人で広がる)
かぜ・インフルエンザ・新型コロナ・RS・アデノ
主にせきやくしゃみのしぶきや、鼻水・唾液がついた手や物を触ることでうつります。
症状が強い時期ほどうつりやすいため、せきエチケットと手洗い・こまめな換気がとても有効です。
手足口病・突発性発疹など多くのウイルス感染
園や学校で流行しやすいタイプです。接触や飛沫に加え、便にウイルスが長く出ることがあり、トイレ後・おむつ交換後の手洗いが重要です。
溶連菌咽頭炎・マイコプラズマ
のどの痛みや咳を伴い、家族内で広がりやすい代表例です。
一般に抗菌薬の内服を始めてしばらくすると感染性が下がります。
ノロ・ロタなどの胃腸炎ウイルス
嘔吐物・便を介してうつりやすいタイプ。トイレや洗面所、ドアノブ周りを清潔に保ち、手洗いを丁寧に行うことが重要です。ノロウイルスの具体的な対策はこちらもご覧ください。
受診のときに役立つ情報
感染症の診断では、症状だけでなく「家族や周囲の状況」がとても重要な手がかりになります。たとえば家族の中で複数人が発熱とのどの痛みを訴えているなら、インフルエンザや溶連菌感染が疑われます。一方、ほかの家族には広がっていない場合は、それほど感染力の強くない病気を想定することになります。
また、お子さんが通う保育園や学校で何かが流行っているかどうかも、診断の大切な情報です。受診の際に「園でインフルが出ています」「クラスで嘔吐の子が多い」といった情報を伝えていただくと、より正確な診断につながります。
家庭での予防
手洗い:帰宅後、食事前、トイレ後は「せっけん+流水」で丁寧に。(手洗いの効果についてはこちら)
咳エチケット:マスク・ティッシュ・肘の内側で口鼻を覆う。(参考:厚生労働省「インフルエンザ対策」)
共用を避ける:タオル・コップ・カトラリーの共用は控える。
環境を整える:換気、よく触れる場所(ドアノブ・スイッチ・スマホ)の拭き取り。
うつりにくい・人から人には広がらないことが多い
中耳炎・副鼻腔炎・一部の細菌性肺炎・尿路感染症
多くは、もともと自分の体の中にいる菌が、体の調子が悪いときに増えて起こります。病気そのものが直接人にうつるわけではありません。
ただし、きっかけとなった“かぜウイルス”はうつることがあるため、手洗いなどの基本対策は引き続き大切です。
食中毒の一部(サルモネラ・カンピロバクター等)
主な原因は汚染された食材です。同じものを食べた家族に同時に症状が出ることはありますが、人→人の広がりは限定的です。
※ノロウイルスは例外で、人へ広がりやすいので注意が必要です。
破傷風
土壌中の細菌が傷口から入り込むことで発症します。人から人へはうつりません。
そもそも伝染ではない(人にうつらない)
熱中症
暑い環境や激しい運動後に起こる体温調整のトラブルです。人にうつるものではありません。
薬剤熱
たとえば抗生物質を飲んでいる最中に熱が続く/上がるなど、薬が原因の発熱。発疹やだるさを伴うこともあります。
服薬名と開始日を控え、自己判断で中止せず医師にご相談ください。
予防接種後の一時的な発熱
体がワクチンに反応しているサインで、1~2日以内におさまることが多いです。人にうつるものではありません。
まとめ
多くの感染症はうつるが、病気によって広がり方はさまざま。
接触する場面・症状の強い時期に注意し、手洗い・咳エチケット・共用品を分けるなどの基本対策を。
うつりにくい/うつらない病気もあるので、むやみに不安にならず、状況に合った対応を。(参考:WHO「感染予防・管理」)
最初はみんな不安です。でも基本さえ押さえれば、落ち着いて対応できます。それでも「やっぱり心配…」と思ったときは、いつでも気軽に相談しに来てください。
よくある質問
Q. 感染症はうつる期間はいつまでですか?
病気によって異なりますが、一般的に症状が強い時期(発熱・咳・鼻水が多い時期)がもっともうつりやすい時期です。インフルエンザは解熱後2日、ノロウイルスは症状消失後も数日〜1週間程度は便にウイルスが出ることがあります。
Q. 手洗いだけで感染症はうつるのを防げますか?
手洗いは非常に効果的ですが、飛沫感染(せき・くしゃみ)で広がる感染症には咳エチケットも重要です。手洗い+咳エチケット+換気を組み合わせることで、家庭内への広がりをかなり抑えることができます。
Q. 子どもが感染症にかかったら、兄弟にうつりますか?
うつりやすい感染症(インフルエンザ・ノロウイルス・溶連菌など)は、同じ家で生活していると兄弟にも広がることがよくあります。タオルや食器の共用を避け、手洗いをこまめに行うことが大切です。心配なときはお気軽にご相談ください。
Q. 感染症かどうか、病院に行かなくてもわかりますか?
市販の検査キット(インフルエンザ・新型コロナ)で確認できる場合もありますが、症状が強い・長引く・乳幼児・基礎疾患がある場合は、受診してしっかり診てもらうことをおすすめします。適切な診断と治療で回復が早まることがあります。


