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「人いきれ」で熱中症リスクが跳ね上がる?――満員の会場・駅で起きていることと対策


夏の花火大会、夏祭り、満員電車や駅構内など、人がギュッと集まる場所では「人いきれ」が発生し、温度と湿度が上がって体感温度が数度プラス、熱中症リスクが一気に高まります。

夜でも油断は禁物。仕組みと具体的な対策をまとめました。

人いきれとは?

多くの人が密集すると、体から出る熱(体温)や呼気の水蒸気、汗の蒸発が空間にこもり、温度・湿度が上昇して“むんむん”した状態になります。

花火大会などの人混みで熱中症が増える要因としてたびたび取り上げられています。(テレ朝NEWS, NTT DOCOMO)

なぜ熱中症リスクが高まるの?

  • 汗が蒸発しにくくなる:湿度が高い・無風だと、汗の蒸発冷却が妨げられて体温が下がりにくい。
  • 周囲のふく射熱・気温も上がる:人の体自体が「熱源」になりやすい環境。
  • WBGT(暑さ指数)が上がる湿度・ふく射熱・気温の3要素で決まる指標で、28(厳重警戒)を超えると患者が著増します。人いきれはこの指数を押し上げる方向に働きます。(WBGT情報ポータル)

例:2016年の大規模屋外イベントでは、会場近くの人混みでWBGTが約+1.0上昇し、警戒レベルが一段上がったケースが報告されています。(めざましmedia)

どのくらい危ないの?

人いきれの影響で、体感温度が3〜5℃上がり、熱中症リスクが2〜3倍になる可能性があるとの見解もあります。

個人差はありますが、夜間や気温が下がった時間帯でも人いきれで危険度が上がることがあるので注意が必要です。(めざましmedia)

起こりやすい場面

  • 花火大会・夏祭りの屋台通り/駅の入場規制エリア
  • 満員電車・地下通路・屋内イベント会場
  • 風が通りにくい夜間の密集スポット

こうしたシーンでは、涼しい時間帯でも警戒が必要です。(テレ朝NEWS, ウェザーニュース)

いますぐできる予防チェックリスト

  • 水分+塩分:喉の渇きを待たずに少量頻回。大量発汗時は経口補水液なども◎
  • 冷却グッズ:保冷剤・冷感タオルを首/脇/太ももの付け根へ。携帯扇風機やミストも有効。
  • 休憩と移動30–60分ごとに人混みから離れて日陰・空調の効いた場所へ。
  • 服装:通気性・吸湿速乾素材、帽子。浴衣や厚着+飲酒は体温調節を妨げるので注意。
  • 計画:外出前にWBGT(暑さ指数)を確認し、28以上(厳重警戒)は行動を見直す。(WBGT情報ポータル)

こんな症状は要注意(早めに離脱・冷却・補水)

  • 立ちくらみ、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のこむら返り、強いだるさ
  • 受け答えが鈍い・歩行がふらつく


子ども・高齢者・体調不良の方は短時間でも危険度が高いため、特に慎重に。迷ったら医療機関受診を検討しましょう。

まとめ

人いきれは“暑さのブースター”。温度・湿度↑/風↓/WBGT↑で、普段よりぐっと危険になります。

「楽しいイベントほど無理しちゃうもの」。のどが渇く前に飲む・混雑から定期的に離れる・早めに冷やす――この3つを合言葉に、夏を乗り切りましょう🧊💪

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