
外来では、「子どもは頭痛は起こりますか?」とか「片頭痛って大人の病気?」とよく聞かれます。実は片頭痛は乳幼児を含む小児期から起こりえます。
初めての発症は小学生〜思春期に多く、思春期以降は女性で増えていきます。年齢の幅は広いので、気になる症状があれば早めに相談してくださいね😊
目次
片頭痛の初発年齢
- 片頭痛の初発年齢
- 初めての発症は10〜20代に多く、ほとんどは40歳までに起こります。
- 日本人では20歳以前に半数以上、15歳以下で約3分の1が発症しています。
- 30歳までに大半が初発し、40歳以降に新しく片頭痛が始まるのは稀です。
- 幼児期(4〜5歳)から発症する例もあり、この場合は腹痛など頭痛以外の症状で現れることもあります。
発症年齢の分布(まとめ)
年齢層 | 初発率・特徴 |
---|---|
4〜5歳 | 発症あり |
10歳前後 | 発症が多い、思春期 |
10〜20代 | 最も多い発症年齢 |
30歳まで | ほとんどが発症 |
40歳以降 | 発症は非常にまれ |
要点:片頭痛は10〜20代での初発が最多。30歳までに大半が発症し、幼児期からの発症例もあります。
片頭痛を疑うサイン(セルフチェック)
次のような症状が複数あれば、片頭痛の可能性があります。※子どもでは発作の長さがやや短くなることがあります。
- 吐き気・嘔吐がある
- 光や音(におい)に敏感になる
- 体を動かすと悪化しやすい(階段、歩行、体育など)
- くり返し起こる(反復性)
- 4時間以上続く頭痛(※小児は短いことも)
腹部片頭痛(腹痛型片頭痛)
幼児期~学童期では「腹部片頭痛」と呼ばれ、腹痛・嘔吐・悪心などが主症状となることがあります。
腹痛は数時間から数日間続き、発作の間は頭痛が起こらないことも特徴です。
成長と共に、腹部症状で発症した子どもが将来的に片頭痛を発症する場合が非常に多いと報告されています。
「それ、片頭痛ではないかも?」—至急の受診が必要なサイン
- 50歳を過ぎてからはじめて起こった強い頭痛
- 1分以内にピークになる激痛(雷鳴のような“突然ズキン”):くも膜下出血などの可能性
- 決まった時間に出て目の充血・涙・鼻水を伴う激痛:群発頭痛の疑い
おうちでできる対策(まずはここから)
- 暗めで静かな環境で休む、しっかり睡眠をとる
- こまめな水分と規則的な食事(空腹・脱水は引き金)
- 頭痛の発症状況を記録:時間帯・前の行動・食事・睡眠・天候などを記録
- 市販薬を使うときは頻回連用を避ける(薬の使いすぎ頭痛を防ぐ)
- 学校や職場では無理をしない申告を。体育や強い運動は発作時は休みましょう
※薬物治療については医療機関を受診して相談してください。早期治療が大切です。片頭痛は時間が経つほど痛みが強くなり、吐き気・嘔吐や光過敏などが加わります。頭痛が進行してから薬を飲んでも効きにくくなります。
まとめ
- 片頭痛は子どもにも起こります。初発は学童〜思春期が多め。
- 10〜20代での初発が最多、30歳までに大半が発症。40歳以降の初発は要注意で片頭痛ではない可能性があります。
- 特に危険サインがあれば至急受診を。