
朝、子どもの目がくっついていたり、白っぽい目ヤニが出ていると、
「アデノウイルスかな?」と不安になりますよね。
結論から言うと、目ヤニ=アデノとは限りません。多くは風邪の延長で起こる軽い結膜炎です。
外来では相談の多い症状です。診察や検査をしてアデノウイルス感染ではない可能性が高いと診断すると、驚かれる方がいるので解説します。
なぜ多くが“風邪の延長”なの?

目と鼻は涙の通り道(鼻涙管)でつながっています。
鼻水やくしゃみが増える風邪の時期は、この通り道が詰まり気味になり、涙や分泌物がたまって目ヤニが増えやすい状態になります。
これがいわゆる風邪性(ウイルス性)結膜炎です。多くは数日で落ち着きます。
アデノウイルスだと何が違う?
アデノウイルスでも結膜炎(目の炎症)が起きますが、特徴があります。
目だけでなく、以下のような症状が一緒に出ることが多いです。
- 発熱がある
- のどの痛みが強い
- 目の充血が強い、涙がポロポロ出る
- 家族や園・学校で結膜炎が流行している
単に「朝の目ヤニが少し」だけなら、アデノの可能性はそれほど高くありません。
目ヤニの色と量はヒントになる
- 白〜透明で少量:風邪やアレルギーでよく見られます
- 黄色くドロッと多い:細菌性結膜炎のことがあり、点眼薬が必要な場合も
- 真っ赤な充血+涙が多い:アデノなど炎症が強い可能性
見た目だけで断定はできないため、迷ったら受診(+検査)が安心です。
ご家庭でできるケア
- 清潔なガーゼやコットンをぬるま湯で湿らせ、優しくふく
- 洗顔やシャワーでまぶたの縁を清潔に保つ
- タオルの共用は避ける(家族内での広がり予防)
- こすらない・触らない(刺激で悪化します)
受診の目安
以下のような場合を認める場合には受診をご検討ください。
- 発熱やのどの痛みを伴う
- 強い充血やまぶしがり(羞明)がある
- 黄色い目ヤニが増える、片目から始まり反対側にも広がる
- 2〜3日ケアしても改善しない・悪化する
- 乳児・新生児など、月齢が低い
まとめ
- 目ヤニ=アデノではない。多くは風邪の延長で軽症
- 発熱・強い充血・涙が多いときはアデノを含め診察・検査で確認
- 清潔にケアし、悪化・長引くなら受診で安心
本記事は一般的な情報提供です。個別の症状は医師にご相談ください。