
便秘=薬。
これ、わりと当たり前に思われています。
便秘の改善は、ひとつの工夫だけで起こるものではありません。
土台となる3つの柱があります。
① 水分・食事(とくに水分をしっかり摂ることと、果物や食物繊維を意識する)
② 適度な運動(腸のぜん動を促す)
③ トイレ習慣(姿勢・タイミング・環境づくり)
この記事では、
「③ トイレ習慣」の中でも 足台を使った姿勢づくりに焦点を当ててお話しします。
目次
「座る姿勢」は、便秘解消の方法の一つ
まず前提として。
便秘の改善は、
複数の要因が組み合わさって起こります。
座って排便できるようになることで、
薬が要らなくなる子もいます。
もちろん、これは便秘改善のための
- 食事内容の見直し
- 水分摂取量の増加
- 運動習慣の確立
- 生活リズムの整備
- トイレ環境の改善
といった、
さまざまな要因のうちの一つに過ぎません。
ただ、
「座る姿勢」は見落とされやすいわりに、
大きな変化をもたらすことがあります。
今日はその話です。
なぜ「座れる」ことがそんなに大事なのか

正しい姿勢で座ると、
直腸と肛門がまっすぐに近づきます。
これは、
「出そう」と考える前に、
体が勝手に出す準備をする状態。
薬に頼らなくても、
体の仕組みが働きやすくなります。
また、
「座って安心して出せた」
この成功体験が1回でもあると、
流れが変わることがあります。
姿勢と習慣が整えば、
「毎日お薬が必須」から
「なくても大丈夫」
「たまにで大丈夫」
になる子がいます。
足台の話:これがないと始まらないことも
足台は、トイレ習慣をつくるための ひとつの環境改善アイテムです。
先に述べた①②③のうち、足台は③を助ける役割です。
(姿勢が整うと便が出やすくなるだけでなく、習慣として定着しやすくなります)
子ども用トイレでも、
足が床につかない子は多い。
足が宙ぶらりんだと
- 落ちそうで不安
- 体が緊張する
- 無意識に肛門が締まる
これでは、
いくら座っても出にくい。
足台のポイント
- 膝が股関節より少し高くなる
- 両足でしっかり踏ん張れる
- 高価なものでなくてOK
足が安定するだけで、
「座れる」→「安心できる」
に変わります。
無理させないことはもっと大切
子どもの成長には、それぞれのスピードがあります。
大人が思う「これくらいできるはず」という基準と、
その子の準備が整うタイミングは、必ずしも一致しません。
無理にさせると、体は緊張し、
「うまくやろう」より「守ろう」が先に立ってしまいます。
すると痛みや不快感が強まり、
かえって回復や成長が遠回りになることもあります。
一方で、
「今日はここまででいいよ」
「できなくても大丈夫」
そんな安心できる関わりがあると、
体も心も自然に力が抜けて、
その子なりのペースで一歩前に進めることが多いのです。
成長は、急がせることで起きるものではありません。
寄り添われた安心感の中で、自然に起きるもの。
この視点を忘れずに、その子のペースを一緒に見守っていけたらと思います。
まとめ
便秘治療のゴールは、
一生薬を飲み続けることではありません。
便秘の改善には、
食事・水分・運動・生活リズム・環境など
さまざまな要因が関わります。
最終的には、
・水分・食事
・運動
・トイレ習慣(姿勢・タイミング・環境)
という 大きな3つの柱をセットで見ることが鍵です。
トイレに座る習慣、足台は、この3つを支える一つのツールに過ぎませんが、
正しい姿勢づくりを習慣化する上で、とても大切です。
【この記事を書いた医師】
南22条おとなとこどものクリニック 院長
小林 俊幸
小児科・総合内科
この記事は、札幌市で日常診療を行っている医師が、
診察室でよく受ける質問をもとに執筆しています。
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