子どもの病気

【実録音声あり】夜中に響くケンケン咳。慌てないための『見極めポイント』と自宅でのケア

🔄 最終更新日: 2026年11月1日

📅 2026年3月11日 (7ヶ月前に公開)

4コマ漫画:夜中に子どもが苦しそうな咳をして母親が驚く/母親が子どもを縦抱きにして落ち着かせる/翌日、念のため小児科へ/医師が診察して「夜にぶり返すこともあるので、お薬出しておきますね」

「さっきまで寝ていた子が、急に苦しそうな咳を始めた…」 夜中に響く、聞き慣れない「変な音の咳」。それは「クループ症候群」のサインかもしれません。

あの独特な咳の音、パパやママにとっては本当に心臓が止まるほど怖く感じますよね。でも大丈夫です。まずは深呼吸をして、この記事と一緒に一つずつ確認していきましょう。


1. 「これってクループ?」音で聞き分けるサイン

クループ症候群は、ウイルス感染などで喉の奥(空気の通り道)が腫れてしまう病気です。小さな子どもはもともと喉が狭いため、少しの腫れでも独特な音が出やすくなります。

  • 犬が吠えるような「ケンケン!」という響く音
  • オットセイやアシカのような「オッオッ」という鳴き声
  • 枯れたラッパのような「パフッパフッ」というかすれた音

普通の風邪の「ゴホゴホ」とは明らかに違います。また、息を吸う時に「ヒューヒュー」と音が混じるのも特徴です。泣いたときだけ聞こえて、落ち着くと消えるなら様子を見られることが多く、静かにしていても聞こえるときは受診の目安です。

実際の音を聞いてみよう(YouTube)

「うちの子の音と同じかな?」と迷ったら、こちらの動画で実際の音を確認してください。 ▶【音声確認】クループ症候群の咳の音(2分22秒〜)※英語の解説動画ですが、音を聞くだけなら言葉は分からなくても大丈夫です。


2. もし夜中に症状が出たら?「自宅ケア」のヒント

お子さんの意識がはっきりしていて、水分が取れるようなら、まずは落ち着いて次のことを試してみてください。

  • 抱っこで落ち着かせる 抱っこして、優しく声をかけてあげてください。
  • 本人が楽な姿勢で 縦抱きにしたり、クッションを背中に置いて座らせたりと、お子さんが楽そうな姿勢にしてあげてください。無理に寝かせなくて大丈夫です。
  • 水分は少しずつ 飲めるようなら、少しずつ水分をとらせてください。嫌がるときは無理に飲ませなくて大丈夫です。

以前は「冷たい外気に当てる」「加湿する・お風呂の湯気を吸わせる」がよく勧められていました。加湿や湯気は、研究では効果が確かめられていません。冷たい外気は、短い時間だけ楽になったという研究もありますが、効果はまだはっきりしていません。どちらも無理にしなくて大丈夫です。やかんや洗面器の熱いお湯の湯気を顔に近づけるのは、やけどの危険があるのでやめてください。


3. 【注意!】やってはいけない3つのこと

良かれと思ってやってしまいがちな行動が、実は症状を悪化させることがあります。

  1. 激しく泣かせる 泣くと息が荒くなり、狭くなったのどにさらに負担がかかります。できるだけ優しく声をかけ、落ち着かせてあげてください。
  2. 無理に横に寝かせる 苦しいときに横にされると、嫌がって泣き、かえって苦しくなることがあります。本人が楽な姿勢を優先してください。
  3. 「治まったから」と受診をやめる クループは夜に悪くなり、昼に落ち着くことが多く、2〜3晩続くこともあります。翌朝ケロッとしていても、一度は受診してください。腫れを抑えるお薬(ステロイド)で、次の夜のぶり返しが軽くなることが多いです。

4. 迷わず受診を!「危険なサイン」

次のようなときは、夜中でも受診してください。

  • 静かにしていても、息を吸うとき「ヒューヒュー」と音がする
  • 息を吸うとき、のど元や胸がペコペコへこむ(陥没呼吸)
  • 息が速い・苦しそう
  • 水分がとれない
  • 高い熱が出て、だんだん具合が悪くなっている
  • 食べ物やおもちゃでむせた直後から、急に始まった(苦しそうなときは119番)

クループがかなり重くなっているか、「急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)」など、さらに緊急性の高い病気の可能性があります。喉の入り口がふさがると、窒息の恐れがあります。次のようなときは、ためらわず119番に電話してください。

  • よだれがダラダラ垂れている(喉の痛みが強すぎて、唾液さえ飲み込めない)
  • 前かがみの姿勢でしかいられない
  • 「こもった声」(口に熱いものを含んだような声)になる
  • 息をするのに精一杯で、泣く・しゃべる余裕がない(肩で息をしている)
  • 苦しそうなのに、ヒューヒューという音が小さくなってきた
  • 唇が紫色、または顔色が明らかに悪い
  • ぐったりして、呼びかけへの反応が鈍い

救急車を待つあいだも、無理に寝かせたり口の中をのぞいたりせず、本人が楽な姿勢のままにしてあげてください。

★受診時のヒント:スマホで10秒録画! 病院に着くと咳が止まってしまうことはよくあります。スマホで「咳の音」や「胸の動き」を短く録画しておきましょう。医師に見せるだけで、診断がとてもスムーズになります。撮影は、お子さんを落ち着かせてからで大丈夫です。119番が必要なときは、撮影より通報を優先してください。


5. 迷った時の相談先

「救急車を呼ぶほどではないけれど、不安で眠れない…」そんな時は、専門家に相談しましょう。

  • 子ども医療電話相談:#8000(北海道は毎日19時〜翌朝8時。IP電話・ひかり電話からは 011-232-1599)
  • 救急安心センターさっぽろ:#7119(24時間。救急車を呼ぶか迷うときにも。IP電話からは 011-272-7119)

まとめ:パパ・ママへ

クループの咳は、夜中に聞くと本当に不安になりますよね。でも、成長とともに喉の通り道が広くなると、かかることはぐっと少なくなります(多いのは3歳ごろまでです)。

4章の危険なサインがなければ、今夜はお子さんを優しく抱っこして落ち着かせ、翌日に受診してください。パパやママの温もりが、お子さんにとっても一番の安心材料になります。

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸(こばやし としゆき)|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。子どもからおとなまで、家族をまるごと診られる町の医師でありたい。診察室で「聞いてよかった」と言ってもらえた話を、ここに書き残しています。 お問い合わせはこちら

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