📅 2026年10月24日 (0日前に公開)

最近の外来で、インフルエンザの患者さんが増えております。
インフルエンザで辛い思いをしているご家族から、
「上の子がインフルエンザでした。下の子は元気なんですけど、念のため検査してもらえますか?」
この季節、診察室でとてもよく聞かれる質問です。
結果からいうと、
症状のない子の検査は、おすすめしにくいです。
それより先に考えてほしいことは、「家族の中に、重症になりやすい人がいるかどうか」です。
元気なうちの検査が、あてにならない理由
インフルエンザは、うつってから症状が出るまで、ふつう1〜4日ほどかかります(平均は2日くらい)。
そのあいだは、体の中のウイルスがまだ少なく、検査で見つけにくい状態です。熱が出てすぐの検査でも、陰性になることがあります。
元気なうちに検査して「陰性」でも、「うつっていない」とは言えません。翌日に熱が出ることもあります。
検査は、症状が出てからで間に合います
検査をすると、安心できる気がします。
でも、早すぎる検査の陰性は、安心の材料になりません。
検査は、結果によって治療や過ごし方が変わるときにするもの。症状が出てからの「答え合わせ」です。
家に、重症になりやすい人はいませんか?
日本では、インフルエンザのお薬(タミフルなど)を「かかる前の予防」に使う必要があるのは、原則として、同居している家族などがインフルエンザを発症していて、本人が次にあてはまる場合です。
- 65歳以上の方
- 慢性の呼吸器の病気や、心臓の病気がある方
- 糖尿病など、代謝の病気がある方
- 腎臓の働きが落ちている方
予防のお薬は、患者さんと接してから2日(48時間)以内に始める必要があります。それより後に始めた場合の効果は、確かめられていません。
費用は自費になります。健康保険が使えるのは、発症したあとの治療だけです。
1歳未満の赤ちゃんでは、予防のお薬の安全性が確かめられていません。赤ちゃんがいるご家庭では、次の「家でできること」が守りの中心になります。
おじいちゃん・おばあちゃんと同居している。家族に持病のある人がいる。
そんなときは、元気な子の検査より先に、重症になりやすいご家族の予防のお薬について、相談してください。
2日以内、が目安です。
これから数日、家でできること
熱、だるさ、せき、食欲。いつもと違うところがあったら、メモしておくと受診のときに役立ちます。
看病は、できるだけ1人で。寝る部屋も分けられるといいのですが、むずかしければ距離をとるだけでも違います。
- タオルやコップは別にする
- こまめな換気と手洗い
熱が出たら、そこが受診を考えるタイミングです。
ただ、熱が出てすぐは、検査で陰性になることもあります。ぐったりしている、水分がとれない、息が苦しそう。そんなときは時間を問わず受診してください。
そうでなければ、夜中にあわてて駆けこまなくても大丈夫です。治療のお薬は熱が出てから2日(48時間)以内に始めるのが基本なので、翌日の診療時間内の受診で間に合います。
よくあるご質問
Q. 元気なきょうだいも、園や学校を休まないといけませんか?
「発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)」という出席停止の日数は、かかった本人のための基準です。元気なきょうだいは、症状がなければ、原則として休む必要はありません。ただ、園や学校によっては独自の決まりがあるので、通っている園・学校の案内も確認してください。
(かかった本人がいつから行けるかは、こちらの記事で→インフルエンザの熱は下がった。でも、登園は明日からでいいですか?)
Q. 元気なうちに検査して陰性なら、登園しても問題ないですか?
陰性が出ても、そのあと熱が出ることはあります。検査の結果より、毎朝の様子を見てあげてください。熱やせきが出たら、その日はお休みして受診を考えましょう。


