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がんの一次予防|日本人のがん原因トップ3と、今日からできる6つのこと

📅 2026年5月5日 (1日前に公開)

「がんは運だから、予防なんてできない」――診察室でそんな言葉をよく聞きます。ですが、最新の研究では、多くのがんは生活習慣が引き金になっていることがわかってきました。

「禁煙、節酒、適度な運動……結局、当たり前のことばかりじゃないか」と思われるかもしれません。でも、その"当たり前"を毎日少しずつ積み重ねることが、いちばん確実な"がん予防"なのです。

この記事では、日本人のがんの原因データをもとに、今日からできる6つの一次予防を、がんばりすぎずに続けられる形でご紹介します。

そもそも「一次予防」って何?

がん予防は大きく2つに分けられます。

  • 一次予防:がんになる前に、生活習慣を整えてリスクを下げる
  • 二次予防:がん検診で早く見つけて、早く治す

どちらも大切ですが、「一次予防」は今日から、お金も特別な道具もなしに始められるのが強みです。

日本人のがんの原因トップ3は?

国立研究開発法人 国立がん研究センターの研究によると、日本人のがんの原因として割合が高いのは、上から順に 感染・喫煙・飲酒 でした。

順位 男性 女性
1位 喫煙 23.6% 感染 14.7%
2位 感染 18.1% 喫煙 4.0%
3位 飲酒 8.3% 飲酒 3.5%

続いて高塩分食品の摂取、運動不足、大気汚染、食物繊維不足、体重過多(肥満)、受動喫煙などが並びます。つまり、日本人のがんの原因の大部分は「生活習慣と環境」で説明がつくということです。

裏を返せば、生活習慣を整えれば、それだけでがんになるリスクをぐっと下げられるということでもあります。

今日からできる、がん予防の6つのこと

1. 禁煙する/受動喫煙を避ける

男性のがん原因の 第1位(23.6%) が喫煙です。受動喫煙もリスクに含まれます。「もう何十年も吸っているから今さら……」と感じる方もいらっしゃいますが、禁煙はいつ始めても効果があります。1年、5年、10年と経つにつれ、肺がんや心血管疾患のリスクは下がっていきます。

「意志が弱いから無理」と思っていませんか? 実は禁煙は意志力の問題ではなく、ニコチン依存症という病気の治療です。お薬と医療者のサポートを使えば、「自力」より2〜3倍成功しやすくなります。当院でも保険適用の禁煙外来を行っています。

関連ページ:禁煙外来のご案内

2. お酒を飲みすぎない

飲酒は男女ともにがん原因の 第3位。口腔・咽頭・食道・大腸・乳房など、思った以上に多くのがんと関係しています。

「毎日飲んでいるけど、量は少ない」という方も多いのですが、量より頻度も大切です。「適量」の目安は、純アルコールで1日20g程度(ビール中瓶1本、日本酒1合、ワイン2杯ほど)。女性はこれより少なめが望ましいとされています。週に2日は休肝日を作ること、寝酒の習慣をやめることだけでも、十分な一歩です。

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3. 食事を"ちょっと"見直す

がん予防の食事は、特別なものではありません。基本は次の4つです。

  • 野菜・果物を毎日の食卓に(1日350g以上の野菜が目標)
  • 塩分を控える(漬物・干物・加工肉のとりすぎに注意)
  • 食物繊維を意識する(玄米・全粒粉パン・豆類・きのこ)
  • 赤身肉や加工肉を食べすぎない(毎日続けて食べない)

「健康的な食事って高くつく」と思っていませんか? 実は野菜を1品増やすだけで十分です。「明日からスーパーフードを毎日!」とがんばらなくて大丈夫。いつもの食卓に野菜を1品増やすくらいから始めれば十分です。

4. 体を動かす

運動不足も、日本人のがん原因の上位に入っています。逆に言えば、体を動かす習慣そのものが、がん予防になるということ。

世界保健機関(WHO)は、週に150分以上の中等度の運動(早歩きでもOK)を推奨しています。1日に換算すると、20〜30分の早歩きを5日。「運動は苦手」という方ほど、実は日常の中に機会がたくさん隠れています。通勤を1駅歩く、エレベーターをやめて階段を使う、それだけで立派な運動です。ジムに通わなくても大丈夫。

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5. 適正体重と良い睡眠を保つ

肥満は乳がん・大腸がん・子宮体がんなど、複数のがんと関係しています。BMI 25以上は注意が必要なライン。急激なダイエットではなく、「±2kg以内をキープする」くらいの感覚で十分です。

「ダイエットは何度も失敗してきた」という方も多いと思います。完璧にやせる必要はありません。まず「これ以上増やさない」という意識だけでも、がんリスクの抑制につながります。睡眠もがん予防には欠かせません。睡眠不足や睡眠の質の低下は免疫力を下げ、慢性炎症を招きます。毎日6〜8時間、できるだけ同じ時間に寝起きする。シンプルですが、これがいちばん効きます。

6. ワクチンと検査で、感染由来のがんを防ぐ

感染は、女性のがん原因の第1位(14.7%)、男性でも第2位(18.1%)を占める重大なリスクです。HPV(ヒトパピローマウイルス)・ピロリ菌・肝炎ウイルスなどが代表例。「感染が原因でがんになるの?」と驚かれる方も多いですが、これらにはワクチンや除菌治療という、はっきりした対策があります。

  • HPVワクチン → 子宮頸がん・中咽頭がん・肛門がんなどを予防(男女ともに接種可能)
  • ピロリ菌の除菌 → 胃がんリスクを大幅に下げる
  • 肝炎ウイルス検査 → 肝臓がんの早期発見・治療につながる

「注射は苦手」「自分には関係ない」と思っていませんか? ワクチンや除菌は、生活習慣の改善とは違い、1回の行動でリスクをぐっと下げられる、非常にコストパフォーマンスの高い予防です。まだ受けていない方は、ぜひかかりつけ医にご相談ください。

関連記事:HPVワクチンと検診——今日ぜひ確認してほしいこと

一次予防+検診(二次予防)の両輪で

生活習慣を完璧に整えても、がんのリスクをゼロにはできません。だからこそ、定期的ながん検診(二次予防)を組み合わせることで、もし発症してしまっても早く見つけて、早く治すことができます。

健診で「要再検」と書かれた紙を受け取って不安になった経験がある方も多いはず。次の記事もあわせてお読みください。

関連記事:健診で「要再検」が出たとき、まず何をすればいい?

まとめ:がんばりすぎず、1つから

6つすべてを完璧にこなす必要はありません。むしろ、全部を一度に始めると、ほぼ確実に挫折します。

  • 「タバコは半分に減らしてみる」
  • 「週2日は休肝日にする」
  • 「夕食に野菜を1品足す」
  • 「エスカレーターをやめて階段を使う」
  • 「夜の動画視聴を30分早く切り上げる」
  • 「ピロリ菌の検査を受けてみる」

このうちの1つだけを、まず1週間続けてみてください。それだけで、あなたのがんリスクは確実に下がっていきます。

「がんばりすぎない健康」――それが、いちばん長く続く予防です。

▼ あなたの状況に合わせて、次の一歩を

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。「がんばりすぎない健康」をテーマに情報発信中。 お問い合わせはこちら

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