🔄 最終更新日: 2026年8月21日
📅 2026年7月8日 (1ヶ月前に公開)

札幌で、手足口病が流行しています。
7月に「東京で警報レベルになりました」とお伝えしましたが、もう他の街の話ではありません。
札幌市の患者報告数は7月下旬に警報の基準を超え、8月上旬にピークを迎えました。
直近(8月10日〜16日)の報告数はやや減りましたが、まだ警報の基準を上回っています。(北海道感染症情報センター)
ただしこの週はお盆で休診の医療機関が多く、実際より少なく見えている可能性があります。
当院の外来でも、手足口病のお子さんはまだ多くみられます。
この記事では、流行しているいま、家庭で本当に見てほしいポイントを短く整理します。
札幌の手足口病は、4週間で約8倍に増えました
札幌市保健所管内の「定点あたり報告数」(1医療機関あたりの1週間の患者数)の推移です。(北海道感染症情報センター)
・第28週(7月6日〜12日): 1.48人
・第29週(7月13日〜19日): 3.23人
・第30週(7月20日〜26日): 6.58人
・第31週(7月27日〜8月2日): 9.87人
・第32週(8月3日〜9日): 11.59人
警報の基準は、5.0人です。
第30週にこの基準を超え、最新の第32週はその2倍を超えました。
まだ多い状態が続いています。
夏休みが終わり、園や学校での集団生活が再開する時期です。
流行は、もうしばらく続く可能性があります。
東京から約1か月遅れで、同じ経過をたどっています
東京都では、6月下旬(第26週)に定点あたり6.30人となり、警報基準を超えました。(東京都)
手足口病は、主に夏に、小さい子どもを中心に流行する感染症です。
札幌は、ちょうど1か月ほど遅れて、同じ道をたどっている形です。
手足口病とは、どんな病気ですか?
口の中、手のひら、足の裏などに、水ぶくれのような発疹が出る感染症です。
発熱を伴うこともあります。
原因となるウイルスはいくつかあります。(感染症情報提供サイト)
そのため、以前かかったことがあっても、別のウイルスでまたかかることがあります。
多くは、数日で自然に回復します。
ヘルパンギーナやアデノウイルスとの見分け方は、以前の記事にまとめています。
こう聞くと、「発疹の病気」に見えます。
でも、家庭で本当に注意してほしいのは、発疹ではありません。
見るべきは発疹ではなく、「飲めているか」です
発疹が派手でも、軽く済むお子さんはたくさんいます。
逆に、発疹が少なくても、注意が必要なお子さんがいます。
手足口病でいちばん困るのは、口の中の痛みで水分がとれなくなることです。
だから、見るポイントはひとつだけ。
「飲めているか、元気があるか」です。
水分がとれているか
口の中が痛いと、飲み物を嫌がることがあります。
水分がとれているか。おしっこが出ているか。ここをよく見てください。
冷たい飲み物、ゼリー、スープなど、しみづらく飲み込みやすいものを少しずつ試してみてください。
ぐったりしていないか
発疹が目立っていても、元気で水分がとれていれば、慌てすぎなくて大丈夫なことが多いです。
一方で、発疹が少なくても、ぐったりしている場合は注意が必要です。
呼びかけへの反応が悪い、顔色が悪い、眠りがちで様子がいつもと違う。
そんなときは、早めに相談してください。
高熱や嘔吐が続いていないか
手足口病は、多くの場合は軽く済みます。
ただ、まれに髄膜炎や脳炎などの重い合併症を起こすことがあります。
高熱が続く、繰り返し吐く、強い頭痛がある、けいれんがある、ぐったりしている。
ひとつでもあれば、早めに医療機関へ相談してください。
家庭でできる予防は、この3つです
流行のまっただ中でも、家庭でできることはシンプルです。
1.石けんと流水で、手を洗う
手足口病のウイルスには、アルコール消毒が効きにくいことが知られています。
石けんと流水での手洗いが基本です。
トイレの後、おむつ交換の後、食事の前は特に意識してください。
2.タオルを共有しない
家族の中で広がるのを防ぎます。
3.治った後も、2〜4週間は手洗いを続ける
症状がおさまった後も、便の中にはしばらくウイルスが出ています。
「元気になってから」が、意外な落とし穴です。
登園・登校は「発疹が消えたか」では決めません
手足口病では、発疹がしばらく残ることがあります。
「発疹が全部消えるまで休む」と考えると、判断がつかなくなります。
目安は、熱がないか。元気があるか。食事や水分が普段通りにとれているか。
この3つがそろえば、発疹が残っていても登園は可能です。
ただし、園や学校ごとにルールがある場合もあります。
迷う場合は、通っている園や学校にも確認してください。
こんなときは早めにご相談ください
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
・水分がほとんどとれない
・おしっこが少ない
・ぐったりしている
・高熱が続く
・繰り返し吐く
・強い頭痛がある
・けいれんがある
・呼びかけへの反応がいつもと違う
手足口病には、特別な治療薬はありません。
治療は、水分補給や発熱・痛みへの対応など、症状をやわらげる対症療法が中心です。
だからこそ、家庭で「飲めているか」「元気があるか」を見ることが、いちばんの支えになります。
今日からできること
流行は、まだ続いています。
でも、怖がりすぎる必要はありません。
今日からできることは、この3つです。
1.帰宅後と食事の前に、石けんで手を洗う
2.お子さんの「飲めた量」と「おしっこの回数」を気にかける
3.迷ったら、無理せず受診する
札幌市中央区で受診をお考えの方へ。発熱外来のご案内
登園の再開にあたって園に提出する書類は、札幌市では手足口病の場合、保護者が記入する登園届で足りるとされています。疾患別の一覧は登園許可証・意見書の発行についてでご確認いただけます。


