子どもの病気

とびひ、うつるの? プールは? ― 夏に多い「とびひ」のホームケアと受診の目安

📅 2026年8月7日 (0日前に公開)

とびひって、どんなもの?

正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」。皮膚に細菌が入って起こる、うつるタイプの皮膚の感染症です。

はじまりは小さな水ぶくれ。かゆくてかいてしまうと、中の汁に細菌が含まれていて、それが触れたところに次々と広がります。火事の火の粉が飛ぶように広がることから「とびひ」と呼ばれています。

多いのは鼻の下、口のまわり、手足。1歳〜6歳くらいのお子さんによく見られます。

夏に多いのはなぜ?

とびひは、なにもないきれいな皮膚から突然できることは、あまりありません。きっかけはたいてい「かきこわし」です。

  • あせも
  • 虫さされ
  • 転んだすり傷
  • もともとの湿疹やアトピー

夏はこの「かゆいところ」が増える季節。さらに鼻をいじるクセがあると、鼻の中にいる菌が指について広がることもあります。

おうちでできること

① シャワーで、石けんをよく泡立ててやさしく洗う

「洗うと広がるのでは」と思われがちですが、逆です。汚れと菌を落としたほうが治りは早くなります。ゴシゴシこすらず、泡でなでるように。

② 洗ったあとは、薬を塗ってガーゼで覆う

汁がほかの場所や、きょうだいにつくのを防げます。

③ 爪を短く切る

かいたときのダメージが減ります。かゆみが強いときは、飲み薬で抑える方法もあります。

④ タオルや衣類は分ける

バスタオルの使いまわしは、いちばんうつりやすいところです。

やらないほうがいいこと

  • 湯船につかる(きょうだいがいるときは特に)→ 治るまではシャワーで
  • 家にある残りの塗り薬を自己判断で使う → かえって悪化することがあります
  • 「乾かせば治る」とそのままにする → 広がってしまうことがあります。

受診の目安

こんなときは、早めに来てください。

  • 数が増えている、範囲が広がってきた
  • 熱が出た、元気がない
  • 赤みや腫れ、痛みが強い
  • 目のまわりなど、場所が心配

とびひは、塗り薬・飲み薬できちんと治せます。「これくらいで来ていいのかな」と迷うくらいが、ちょうどいいタイミングです。

プールと、保育園・幼稚園はどうする?

プールは、治るまでお休みが基本です。プールの水そのものでうつることはありませんが、タオル・浮き輪・ビート板の共用や、皮膚と皮膚が触れ合うことで症状が悪化したり、ほかのお子さんにうつしてしまう恐れがあります。夏のあいだは、ここが一番のご相談ポイントですね。

登園・登校は、法律で出席停止と決められている病気ではありません。患部をガーゼでしっかり覆えて、汁がしみ出ていなければ通えることが多いです。ただし園や学校ごとにルールが違うので、まずは確認を。意見書が必要と言われた場合も、当院で対応できます。

さいごに

とびひは、こじらせなければ、そんなにこわい病気ではありません。「早めに気づいて、清潔にして、薬をきちんと使う」──これがいちばんの近道です。

夏のあいだは、あせもや虫さされを見つけたら、かきこわす前にケアしてあげるのが予防になります。気になる湿疹があれば、遠慮なくご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q. どのくらいで治りますか?

A. 薬を使いはじめると、多くは数日で汁が止まり、1週間ほどでよくなっていきます。ただし途中でやめると、また広がることがあります。見た目がきれいになっても、指示された日数はきちんと続けてください。

Q. きょうだいにうつりますか?

A. うつることがあります。ふせぐポイントは3つ。①患部をガーゼで覆う ②タオル・衣類を分ける ③治るまでは湯船ではなくシャワーにする。この3つで、だいぶ防げます。

Q. お風呂には入れますか?

A. 入れます。むしろ、シャワーで石けんをよく泡立てて洗ったほうが治りは早くなります。ゴシゴシこすらないでくださいね。湯船は、治るまではお休みを。

Q. 市販の薬を塗ってもいいですか?

A. 自己判断はおすすめしません。とびひには細菌に効く薬が必要で、かゆみ止めやステロイドだけだと、かえって広がってしまうことがあります。まずは受診を。

Q. 保育園・幼稚園は休まないとダメ?

A. 出席停止と法律で決められた病気ではありません。患部を覆えて、汁がしみ出ていなければ通えることが多いです。園から「覆わないと登園できません」と言われることがありますが、これは正しい対応なのでご安心を。ただし必要なのはガーゼで覆うことで、ぴったり密閉する必要はありません(すき間なく密閉すると、かえって蒸れて悪化することがあります)。通気性のあるガーゼで、汁が外にしみ出ないようにやさしく覆えば十分です。園ごとにルールが違うので確認を。提出書類が必要な場合も、当院で対応できます。

Q. 跡は残りますか?

A. とびひそのものは、跡が残りにくい病気です。ただ、強くかきこわした場合や、治ったあとに色が茶色っぽく残ることがあります。多くは数か月かけて自然に薄くなっていきます。

Q. 何度もくり返すのはなぜ?

A. 鼻の中には、もともと原因になる菌がいます。鼻をいじるクセや、もとの湿疹・あせもが残っていると、またそこから始まりやすくなります。くり返すときは、皮膚そのものの状態を整えるところから一緒に考えましょう。

Q. 大人もなりますか?

A. なります。数は少ないですが、皮膚の調子が落ちているときや、お子さんの看病をしている保護者の方にうつることもあります。

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸(こばやし としゆき)|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。子どもからおとなまで、家族をまるごと診られる町の医師でありたい。診察室で「聞いてよかった」と言ってもらえた話を、ここに書き残しています。 お問い合わせはこちら

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