水ぼうそうのお子さんをちらほら見かけます。「保育園で流行っているんです」という話も外来でお聞きします。
水ぼうそうは10歳までのお子さんによく見られる感染症です。正式には「水痘(すいとう)」、一般的には「水ぼうそう」と呼ばれます。
冬から春に流行し、水ぼうそうにかかると強いかゆみのある発疹が1週間くらい現れます。
大人が感染した時には重症化することがあります!
外来で、質問を受けることがあるので、今日は水ぼうそうのことをまとめてみます。
水ぼうそうの原因
水ぼうそうの原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスです。
このウイルスは感染力がすごく強いんです。新型コロナウイルスより上です。
咳やくしゃみで広がる飛沫感染や空気感染や接触感染で広まります。水ぼうそうの水疱をつぶしてしまってそれを直接触ってしまい感染することが接触感染です。
一人が感染すると、家族内はもちろん、保育園や幼稚園などでも一気に流行する可能性があります。
水ぼうそうの症状~発疹が特徴的です!
潜伏期間は10~21日間です。感染から症状が出るまでにけっこう時間がかかります。
体中にかゆみの強い発疹や水膨れができます。たいていの場合は発熱もあります。
発疹のでき方に特徴があります。
まばらで盛り上がった発疹が出てくることで気付かれることが多いのですが、数時間のうちに全身に広がります。
- 赤い発疹
- 米粒大の盛り上がった発疹
- 水ぶくれ
- 膿をもった発疹
- かさぶた
だいたい1週間後にはすべての発疹がかさぶたになります。
症状の出たてのころは1~5の皮疹が色々と混じって存在します。
広がり方は
頭→胸やお腹、背中などの身体→手足と広がっていきます。
大人の場合は、発疹の前から全身の倦怠感や発熱が見られることもあります。子どもの場合よりも、高熱をきたしたり、発疹に痒みが強くなったりすることもあります。さらに重症化すると、脳炎や肺炎などを合併することもある。
帯状疱疹との関係
過去に水痘にかかったことのある人は、体の中に水痘・帯状疱疹ウイルスが残ってしまいます!そして、加齢やストレスなどによって免疫力が下がると、「帯状疱疹」として発症することがあります。
診断方法
発疹のでき方が特徴的なので見た目に診断することが多いです。地域で流行していることもあるので参考になります。診断に困ったときには、血液検査やウイルス検査などを行うこともあります。
保育園の先生かママさんが診断をつけてくれていることもたいへん多いです。
水ぼうそうは一度かかったらかからない?~終生免疫とは
水ぼうそうは一度感染すると免疫がつくため、基本的には2回以上かかることはありません。これを終生免疫と言います。
ただし、1回目が軽く済んだ場合、1歳未満でかかった場合などは、免疫がつかないことがあるため、再び水ぼうそうになる可能性があります。
また、免疫力が低下する病気にかかっているときなども、再び水ぼうそうにかかる可能性があります。
治療薬があります!
基本的には、自然と治りますが、ウイルス感染には珍しく抗ウイルス剤があります。このお薬はウイルスを直接殺すお薬ではないく、ウイルスが増えることを抑えるお薬です。早めに服用したが効果が高いです。
その他の注意点としては、
皮膚や衣類、布団などを清潔に保ち感染予防に努めましょう。
爪を切って、かゆい皮疹をかいて傷つけることを予防しましょう。
免疫力を上げるために栄養のある食事を取ることや安静に過ごすことも心がけてください。
予防が一番です!
予防には、水痘ワクチンによる予防接種が効果的です。現在は、1歳を過ぎた時に定期接種として受けることが可能です。3ヶ月あけて2回受けてください!
もし接種の機会を逃した場合でも全ての年齢で2回接種がお勧めです。
学校・保育園への登校・登園の目安
水ぼうそうは、すべての発しんが痂皮(=かさぶた)になるまで
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水ぼうそうは、全ての皮疹がかさぶたになるまでに1週間くらいかかるので、その間は登校(園)できません。