子どもの病気

こどもの食事にとって大切なことは楽しむこと

食事が子どもの成長に欠かせないことは誰だってわかっています。でも、現在では多くのママたちが多忙なので、ついついコンビニのお弁当やスーパーのお惣菜や外食に頼ってしまい「こんな手抜き料理じゃ、子どもの健康に良くないかも」って罪悪感を感じているのではないでしょうか?

今回はぼくが小児科外来で子どもの栄養に関する相談を受けてきて感じてきた「こどもの食事にとって大切なこと」を紹介します。

子どもの食事にとって大切なことは「コミュニケーションを楽しむこと」です。栄養バランスや食事量よりも、会話をしながら楽しんで食事をとること。

そのためには食事を用意するママたちがストレスを抱え込み過ぎないことも大切です。こどもの食事は栄養バランスや食事量、手作りにこだわる必要はありません。こどもの成長はたまに料理を手抜きをしたところでまったく変わりません。外食や出来合いのものでも栄養を十分にとることが可能です。こどもの食事では、必須栄養素が最低限取れていて病気になっていなければ問題ありません。

食事で大切なことは「親子のコミュニケーション」

食事が子どもの成長に欠かせないことは誰だってわかっています。子どもの栄養バランスを考えて、しっかりと作ろうと意気込んでいるママさんたちは多いのではないでしょうか?

食事をしっかりととることが健康につながるということは疑いもない事実です。こどもが食事をとるときの最終目標は「子どもが自分で考えて最適な食べ物をとることができるようになること」に間違いありません。極端に健康に悪いものを毎日食べたり、過度のダイエットをすることは病気につながりますから。

しかし、こどもの食事にとってもっと大切なことがあります。それは「食事は親子のコミュニケーションの場」であるということです。幼児であれば食事をとりながら、食事に興味のもてるような空間・時間を作ってあげることが重要です。小学生以降であっても、可能な限り一緒に食事をとる意識が大切です。

家族で食事をとらないデメリット

みなさんは「孤食」という言葉を知っていますか?「孤食」とは、家族や親しいヒトと一緒に食事がとれない状態のことです。一緒に食卓を囲んでいてもコミュニケーションがなければ、「孤食」といえるかもしれません。

「孤食」には以下のような問題があります。

  • 好きなものばかり食べて栄養がかたよることによって肥満や健康や身体の成長に影響がでる
  • 家族のコミュニケーションが欠如することで、社会性や協調性の育成がなされなくなったり、イライラして情緒不安定になり心の病気を誘発しやすくなります。

食事をする目的は単に栄養をとることだけではありません。食事はその日の起きたことを話したりするコミュニケーションの場としても重要なんです。

家族や仲間と一緒に食べると、食事のマナーや料理についての関心が高くなり、適切な栄養もとりやすく、何よりも、楽しくおいしく食べることができます。

ぼくは食事の大切さを知らない大人をたくさん知っています。外来では自分で食事をコントロールできない糖尿病や高血圧、脂質異常症の患者さんをたくさんみています(ぼく自身も肥満のため手を焼いていますがね)。

みなさんのお子さんが生活習慣病に苦しまないためにも食事を自分で選ぶことができるようになる力を身につけることは食事の最終目標です。

無理して手作りしない

ぼくの家では妻が食事を作っています。妻は仕事をしているため手の込んだ食事を作ることがなかなかしんどそうです。忙しい中で頑張って作ったのに子どもたちは大量に残すこともあったり…。そんなことは母親ならあるあるですしょうかね?

昔から親の手作りの食事が「良い親の照明」になっているところがあると思います。とくにお弁当はそうじゃないでしょうか?でも冷静になると、親の手作りでなければ栄養が摂れないわけではないし、愛情が伝わらないわけでもありません。

ママたちが食事を作ることが負担になってイライラ、さらに子どもたちが食べなくてイライラ・・・。そして、食卓はひどく暗い雰囲気。食事はニコニコとみんなで食べながら家族で楽しむ時間をとることが大切なのに。夫としては、子どもが大量に食事を残したときのあの空気感はなかなか耐え難いものがあります。会話なんて弾むはずもありません。こっそり子どもの分まで食べて後始末することもあります。

それなら少し料理することを手抜きをしてでもコミュニケーションを優先する日があってもよいでしょう。おそらく、お料理する最大のストレスの一つが献立を決めることではないでしょうか?インターネットを使えば数えきれないくらいのメニューが出てきますが、選ぶのもめんどくさいし、材料を買ってくるのもたいへん、作るのもたいへんです。

そんなときは罪悪感なんて考えずにマクドナルドやモスバーガーといったファストフードでもよいでしょう。我が家ではマクドナルドを食べることがよくあります。子どものテンションは上がるし、会話も盛り上がります!

ママたちは食事を作りたいと思ったときに楽しみながら料理をして欲しいです。

離乳食は作らない

三人目の男の子を育てているときの離乳食は出来合いが多かったです。出来合いの離乳食の栄養価は抜群とわかったからです。あの栄養価は家庭で作るときは作れないクオリティです。当クリニックの外来にある本を紹介します。

ママたちが離乳食を作るストレスもなくなれば、その分だけ子どもと食事を楽しむ時間が増えます。手作りも悪くはありませんが、たまに食事を手抜きしたくらいでは成長は変わりません。子どもとコミュニケーションをとることで愛情もしっかりと伝わります。¥

身長は遺伝子である程度は決まっている。

手作りのものじゃないと成長が悪いんじゃないなんて思っている方がいるかもしれませんが、子どもの身長はある程度は遺伝子で決まっています。実はお父さんとおかあさんの身長から生まれてきた子どもの最終身長は予想可能なのです。

子供の身長予測

子どものからだの成長にもっとも大切なことは栄養ではありません。目先の栄養価や食事量にとらわれる必要はありません。それはしっかりとした食生活が身についてくると後から自然とついてくるものです。

楽しみながら食事をとったうえで心がけてほしいこと

コミュニケーションをとりつつ楽しみながら食事をとれているうえで考えるべきことは、スポーツなどの活動量に応じて、必要なカロリーをとることです。

外来でよく相談を受けますが、極端な太りすぎややせ過ぎには注意しましょう。

ただ、すでに必要十分なカロリーが摂取できており、成長曲線から大幅に外れていない(太り過ぎ、痩せ過ぎでない)限りは、あまり神経を尖らせる必要はありません。

さいごに

子どもの食事では、食を楽しむ時間をコミュニケーションをしっかりととることを意識してください。ママたちはうまく料理を作る手を抜いて子どもと楽しいコミュニケーションの時間をとって欲しいです。

子どもに食事をとることの大切さを教えてあげれば、必要な食事量や栄養バランスの問題はあとから解決していきます。

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