今年のインフルエンザの流行はちょっと変わっています。普通、インフルエンザは年末ごろに流行り始めて、一度ピークを迎えると減っていくものです。
でも、今シーズンは異例のことが起こっています。昨年12月に一度ピークを迎えた後、減少したかと思いきや、年明けから再び感染者が急増。なんと、1シーズンで二つのピークができてしまいました。
特に、昨年はA型インフルエンザが流行しましたが、今はB型が広がっています。
つまり、今年はインフルエンザに2度かかることが珍しくないのです。当クリニックでも2回かかる方をみかけることはまれではありません。
この珍しい事態の背景には、コロナ禍でインフルエンザがほとんど流行らなかったことが影響しています。そのため、多くの人がインフルエンザに対する免疫を持っていない状態です。社会活動が活発化したことで、例年よりも早く流行が始まり、今に至っています。
厚生労働省によると、インフルエンザの注意報は医療機関1つあたりの1週間の患者数が10人以上、警報は30人以上で出されます。今年は12月初旬には全国平均で警報レベルに達しましたが、その後減少。しかし、年明け以降は再び患者数が増加しています。
特に、子供たちの間でB型インフルエンザが広がっています。これまで4年間B型の流行がなかったため、子供たちはほとんど免疫を持っていません。2月初旬には、患者の約70%が15歳未満の子供たちでした。
では、私たちはどう対策をすればいいのでしょうか。まずは、手洗いやマスクの着用といった基本的な感染予防策を続けることが大切です。一家全員がかかってしまうこともあるので自宅に必要な物品を用意しておくとよいかもしれません。
今年のように二つのピークを迎えることは珍しいですが、それだけに私たち一人一人がしっかりと対策をとることが、さらなる感染拡大を防ぐ鍵となります。健康管理には十分注意して、この冬を乗り切りましょう。