
「うちの子、一度りんご病になったはずなのに、また赤い発疹が出てきた…これって再発!?」
お子さんの頬がリンゴのように赤くなるのが特徴の「りんご病(伝染性紅斑)」。一度かかると免疫ができて、基本的にはもうかからないと言われています。でも、発疹が消えたはずなのに、しばらくしてまた出てくることがあるって聞いたことはありませんか?外来で相談を受けるケースがあります。
この記事では、そんな「りんご病の再発?」と感じる症状について解説します。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
え?りんご病って再発するの?
結論から言うと、りんご病そのものが「再発」することはありません。一度感染すると、体の中にウイルスをやっつけるための免疫がしっかりとできるため、同じウイルスに再び感染することはないのです。
では、なぜ発疹が消えた後にまた出てくるように見えるのでしょうか?それは、りんご病の症状を引き起こすメカニズムに秘密があります。
りんご病の赤い発疹や関節の痛みは、ウイルスそのもののせいというよりも、体がウイルスと戦う時の免疫反応によって起こると考えられています。まるで、お祭りの後の会場が少しの間ざわついているようなイメージです。
最初の感染で免疫反応が起こり、特徴的な発疹が出ます。その後、ウイルスは体の外へいなくなりますが、免疫反応の「余韻」がしばらく残ることがあります。この残った免疫反応が、様々な刺激によって再び表面化し、発疹として現れることがあるのです。
これは、風邪が治った後に咳だけがしばらく残るのに似ていますね。ウイルスはいなくなったけれど、炎症の反応がまだ少し残っている、というわけです。
再発?それとも揺り返し?発疹がまた出る原因をチェック!
りんご病の発疹が消えた後に再び現れるのには、いくつかの「きっかけ」があることが知られています。まるで、一度落ち着いたお天気が、ちょっとしたことでまた雨雲が出てくるようなイメージです。
具体的には、以下のようなものが誘因となることがあります。
- 日光(紫外線): 強い日差しを浴びると、皮膚の血管が広がり、一時的に発疹が目立つことがあります。
- 入浴: 熱いお風呂に入ると、体温が上がり、血行が良くなることで発疹が再浮上することがあります。
- 運動: 激しい運動や遊びで体が温まると、同様に発疹が出やすくなります。
- ストレス: 精神的なストレスも、体の免疫バランスに影響を与え、発疹の再燃に関わることがあります。
- 温度変化: 急な気温の変化も、皮膚の反応を引き起こすことがあります。
- 皮膚への刺激: 強くこすったり、圧迫したりするなどの物理的な刺激も、発疹を誘発することがあります。
これらの刺激によって再び現れる発疹は、ウイルスの活動が再開したわけではありません。あくまで、最初の感染の時に起こった免疫反応が、外部からの刺激によって再び表面化したものと考えられています。
再び現れた発疹、初期のほっぺたの赤みとは違う?
「再発?」と感じる時に現れる発疹は、りんご病の初期に出る特徴的な頬の赤い発疹(頬紅斑)とは少し違うことが多いです。
りんご病の初期発疹の経過
- 頬の紅斑: 両頬が真っ赤になるのが最初のサイン。「平手打ちされたみたい」と表現されることもあります。
- 体や手足の発疹: 頬の紅斑が出た1~2日後から、腕や脚、体幹(胸やお腹、背中)にレースのような網目状の発疹が広がります。色はピンクから薄い赤色で、触っても平らで、かゆみを伴うこともあります。
「再発?」時の発疹の特徴
- 網目状の発疹が中心: 初期の体や手足に出たような、レース状の網目状の発疹が再び現れることが多いです。以前発疹が出た場所に、同じような形の発疹が出やすい傾向があります。
- 頬の紅斑は目立たない: 初期のシンボルだった頬の紅斑は、再発時にはあまりはっきり出ないか、出ても軽いことが多いです。
- かゆみは軽いか、ない: 初めて発疹が出た時よりも、かゆみを感じることは少ないようです。
つまり、「再発?」時に現れる発疹は、初期の派手な頬の赤みというよりは、体の他の部分に出ていた網目状の発疹が、一時的に再び顔を出すといったイメージです。
周りの人にうつる?「再発?」時の感染力について
「また発疹が出たってことは、また人にうつるの?」と心配になる方もいるかもしれません。でも、安心してください。
りんご病で人にうつる可能性が高いのは、発疹が出る前の時期です。発疹が出てきた時には、体内のウイルスはほとんどいなくなっているため、人にうつす力はほぼありません。
したがって、「再発?」時に再び発疹が出たとしても、それはウイルスの活動が再燃したわけではないため、周りの人にうつる心配はないと考えて大丈夫です。
もし「再発?」したらどうすればいい?対処法と注意点

りんご病の「再発?」のような症状が出た場合、基本的には特別な治療は必要ありません。大切なのは、症状を和らげ、再び発疹が出にくいように工夫することです。
症状を和らげるための対処法
- かゆみがある場合: かゆみが気になる場合は、冷たいタオルで冷やしたり、医師に相談して抗ヒスタミン薬を処方してもらうのも良いでしょう。
- 安静にする: 体調が優れない場合は、無理せず安静に過ごしましょう。
- 水分補給: 発熱や体調不良がある場合は、こまめに水分を補給しましょう。
発疹の再燃を防ぐための日常生活の注意点
- 入浴はぬるめで短時間: 熱いお風呂は避け、シャワーで済ませるなど工夫しましょう。
- 直射日光を避ける: 外出時は帽子や日傘、日焼け止めなどで紫外線対策をしましょう。
- 激しい運動は控える: 体が温まりすぎないように、運動は控えめにしましょう。
- 温度変化に注意: 急な温度変化も刺激になることがあるので、室温管理などに気を配りましょう。
- ゆったりとした服装: 肌を締め付けるような服は避け、通気性の良い素材の服を選びましょう。
これらの点に注意して、刺激を避けることで、発疹の再燃を予防することができます。
知っておきたい!りんご病に関する大切なポイント
- 一度かかれば基本的には再感染しない: りんご病は、一度かかると終生免疫が得られるため、再び同じウイルスに感染することはありません。
- 「再発?」は免疫反応の揺り返し: 発疹が再び現れるのは、ウイルスの再活動ではなく、最初の感染による免疫反応が刺激によって表面化したものです。
- 発疹が出たら感染力はほぼない: 発疹が出ている間は、周りの人にうつす心配はほとんどありません。
- 特別な治療法はない: りんご病自体を治す薬はなく、症状を和らげる対症療法が基本です。
- 日常生活での注意が大切: 発疹の再燃を防ぐためには、日光、入浴、運動などの刺激を避けることが重要です。
まとめ
りんご病の「再発?」と感じる症状は、多くの場合、最初の感染による免疫反応の「揺り返し」であり、ウイルスの再感染ではありません。日常生活でのちょっとした注意で、発疹の再燃を防ぐことができます。
もし症状が出ても、過度に心配せず、この記事でご紹介した対処法を参考にしてみてください。そして、不安なことがあれば、医師に相談してくださいね。