
なぜ“肌”がカギになるの?
赤ちゃんの肌はとてもデリケート。湿疹やカサカサがあると、皮膚のバリア機能(外からの刺激や異物を防ぐ力)が弱くなります。
このバリアにすき間ができると、本来なら口から入るはずの食べ物の成分(アレルゲン)が、皮膚から入り込んでしまうことがあります。
これを 経皮感作(けいひかんさ) といい、体はそれを“敵”だと勘違いしてしまうことがあります。
一方、口から入った場合は、体が「これは食べ物だ」と認識して、仲間として受け入れる準備をしてくれることが多いのです。これを 経口免疫寛容(けいこうめんえきかんよう) と呼びます。
たとえるなら…

- 口から入る → 正面玄関から「いらっしゃいませ」と招かれるお客さん
- 皮膚から入る → 壁の穴からこっそり侵入してきた不審者
不審者として入ってきた場合、体は攻撃準備を始めてしまい、将来のアレルギーにつながることがあるのです。
日本の研究からも裏付け
ある研究(PACI試験)では、乳児湿疹ができたときに早い段階でしっかり全身の皮膚を治療したグループは、そうでないグループに比べて卵アレルギーになる子が明らかに少なかったという結果が出ています。
つまり、肌のトラブルを放っておかず、きちんとケアすることがアレルギー予防につながるのです。
今日からできるお肌の守り方
- 毎日やさしく保湿して、肌のうるおいをキープ
- 湿疹や赤みが出たら、早めに小児科や皮膚科へ
- 季節や環境による乾燥・刺激にも注意
まとめ
アレルギー予防は「食べさせる時期」からではなく、まず「皮膚を整える」ことから始まります。
赤ちゃんのお肌は、未来の健康を守る大切な“バリア”。毎日のスキンケアが、そのバリアを強くしてくれます。