― 約10万人を追った大規模研究が示した「ほどほど」の大切さ ―

スマートフォンやSNSは、今の10代にとって日常の一部です。
では、SNSを使う時間と「こころの調子」には、どのような関係があるのでしょうか。
この疑問に対して、約10万人の10代を対象にした大規模な追跡研究が報告されました。
どんな研究だったのか
この研究では、オーストラリアの10代(13〜18歳)を対象に、
- 放課後(主に15〜18時)のSNS利用時間
- 本人が感じている「こころの調子(幸福感・満足感など)」
を、複数年にわたって追跡しました。
一時点の調査ではなく、成長に伴う変化を見ている点が特徴的です。
研究の中心的な結果
最も重要な結果は、次の点です。
SNS利用時間とこころの調子の関係は「一直線」ではなかった
つまり、
- まったくSNSを使わない
- SNSを長時間使っている
このどちらのグループでも、
こころの調子が低い傾向が見られました。
一方で、
短時間〜中程度にSNSを使っているグループは、
比較的こころの調子が安定していました。
いわゆるU字型の関係があったのです。
年齢や性別による違いも観察された
研究では、年齢や性別によっても傾向が少し異なっていました。
- 女子では、思春期を通じて
中程度のSNS利用と、より良好なこころの調子が関連していました。 - 男子では、特に思春期後半において
SNSをまったく使わないことが、
こころの調子の低さと関連する傾向が見られました。
注意すべきポイント
この研究はとても規模が大きい一方で、
「SNSが原因で心の調子が良くなる/悪くなる」ことを証明するものではありません。
あくまで、
- SNSの使い方
- こころの状態
に関連が見られた、という観察研究です。
研究者自身も、「SNSは一様に有害でも有益でもない」という点を強調しています。
研究から読み取れる、ひとつの事実
この研究が示しているのは、
SNSは多すぎても、まったく無くてもよくない場合があるということです。
10代のこころの調子は、
SNSを「ほどほどに使っているとき」に
比較的安定している傾向がありました。
出典
JAMA Pediatrics
Social Media Use and Well-Being Across Adolescent Development
【この記事を書いた医師】
南22条おとなとこどものクリニック 院長
小林 俊幸
小児科・総合内科
この記事は、札幌市で日常診療を行っている医師が、
診察室でよく受ける質問をもとに執筆しています。
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