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鼻血が出たら、上を向かない。家庭でできる正しい止め方を整理します。

📅 2026年6月3日 (0日前に公開)

子どもが、急に鼻血を出す。
あわてて上を向かせて、ティッシュをぎゅっと詰めて……。
気づいたら、自分のほうがドキドキしている。

そんな経験、ありませんか。

鼻血は、子育て中なら何度も出会う「あるある」です。
診察室でも、「止め方、これで合っていますか?」とよく聞かれます。

実は、昔よく言われていた「上を向く」は、今はおすすめされていません。
上を向くと、血がのどのほうに流れ込み、飲み込んでしまって吐き気や嘔吐につながることがあるからです。
でも、正しいやり方はとてもシンプルです。
順番に整理していきますね。

✅ この記事でわかること

  • 鼻血のとき上を向かせてはいけない理由
  • 正しい押さえ方と押さえる場所
  • 家庭でのNG行動と、病院に行くべき目安

鼻血が出たときの正しい対処法

まず、座らせる。上は向かせないで

最初にやることは、落ち着いて座らせることです。
寝かせる必要はありません。
上を向かせる必要もありません。

少しだけ前を向くくらいで大丈夫です。
ポイントは、血がのどに流れ込まない姿勢にすること。
それだけで、ずいぶん落ち着いて対応できます。

のどに回った血は、飲み込ませないで

鼻血が、のどのほうに回ってくることがあります。
その血は、無理に飲み込ませないほうがよいです。

気持ち悪くなったり、吐き気につながることがあるからです。
口に血が回ってきたら、ティッシュや洗面器に出して大丈夫です。
「汚いから飲み込みなさい」とは、言わないであげてください。

押さえるのは「鼻の根元」ではありません

ここが、いちばん間違えやすいところです。

押さえるのは、目に近い鼻の根元、かたい部分ではありません。
押さえるのは、鼻の穴のすぐ上にある、やわらかい部分です。

親指と人差し指で、鼻のやわらかい部分を左右からつまむように押さえます。
片側だけから出ているように見えても、両側からしっかり押さえて大丈夫です。

イメージとしては、「鼻の根元を押す」のではなく、「鼻の下のほうをつまむ」です。

10〜15分、途中で確認しない

鼻血が止まりにくくなる原因のひとつが、途中で何度も確認してしまうことです。

「もう止まったかな?」と思って手を離す。
また出てくる。
あわててティッシュを詰め直す。

この流れで、かえって長引くことがあります。

鼻のやわらかい部分を押さえたら、10〜15分ほど、そのまま圧迫します。
時計を見ながら行うと安心です。

子ども自身に任せると、途中で力がゆるんだり、手を離したりすることがあります。
小さいお子さんの場合は、大人が一緒に押さえてあげるとよいです。

注意してほしいこと

ティッシュを詰めっぱなしにしない

鼻血が出ると、ついティッシュを鼻に詰めたくなります。

ティッシュを鼻の奥まで詰めると、抜くときに固まりかけた血がはがれて、また出血することがあります。
そのため、奥までぎゅっと詰めるのはおすすめしません。

少量の血を受け止める目的で、鼻の近くに軽くあてて血を拭き取るくらいはかまいません。
ただし、まったく当てないでいると、服や床など、いたるところが血だらけになってしまいます。

基本は、ティッシュを詰めて止めるのではなく、鼻のやわらかい部分を外から押さえて止める、と覚えておいてください。

止まったあとも、しばらく鼻をいじらない

鼻血が止まった直後は、また出血しやすい状態です。

すぐに鼻をかむ。
鼻をほじる。
強くこする。
走り回る。
熱いお風呂に入る。

こうしたことで、また鼻血が出ることがあります。

止まったあとは、しばらく鼻を触らないようにしましょう。
お子さんには、「今日は鼻をいじらないでね」と伝えてあげてください。

それでも止まらないときは、医療機関に相談を

多くの鼻血は、家庭での対応で落ち着きます。

ただし、家庭でできることには限界があります。

10〜15分しっかり押さえても止まらない。
何度も鼻血をくり返す。
出血量が明らかに多い。
顔色が悪い。
ぐったりしている。
鼻や頭を強くぶつけたあとに出ている。
血をサラサラにする薬を飲んでいる。

こうした場合は、医療機関に相談してください。

鼻の中の確認や処置が必要な場合には、耳鼻科での診察が必要になることもあります。
鼻血の原因や危険なサインについて、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の解説ページもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 片方の鼻だけから出ているのに、両方押さえていいの?

A. 大丈夫です。
鼻血の多くは、鼻の穴のすぐ奥にある、やわらかい部分から出ます。
片方だけから出ているように見えても、鼻のやわらかい部分を左右からしっかりつまむと、出血しやすい場所をまとめて圧迫できます。

片側だけを押さえるより、両側からつまむほうが止血しやすいです。

Q. 15分経っても止まらなかったら、すぐに救急に行くべき?

A. 出血量が多い・顔色が悪い・ぐったりしているといった症状がなければ、まずはかかりつけの医療機関に相談するのがよいでしょう。ただし、大量出血・頭や鼻を強打した後・血が止まらないといった場合は、早めに受診してください。

Q. 鼻血が出たとき、冷たいタオルや氷で冷やすといいの?

A. 効果は限定的ですが、鼻の付け根を冷たいタオルなどで冷やすのは問題ありません。ただし、冷やすことよりも大切なのは「小鼻をつまんで圧迫する」ことです。

Q. 子どもが鼻血をよく出します。何か病気のサインですか?

A. 子どもの鼻血の多くは、鼻をいじる・鼻をかむ・乾燥といった物理的な刺激によるもので、病気ではありません。ただし、週に何度も繰り返す・なかなか止まらない・あざが増えているといった場合は、一度小児科や耳鼻科を受診してみてください。

Q. 鼻血のとき、鼻にティッシュを詰めてもいいですか?

A. あまりおすすめできません。ティッシュを鼻に詰めると、粘膜を傷つけたり、奥に入り込んで取り出しにくくなったりすることがあります。基本的には何も詰めず、小鼻を外側からつまんで圧迫するだけで十分です。出てきた血はティッシュやタオルで拭き取ってください。

鼻血の対応は、まずこの3つを覚えてください

鼻血が出ると、子どもより大人のほうが慌ててしまうこともあります。

でも、最初にやることはシンプルです。

上を向かせない。
鼻のやわらかい部分を押さえる。
10〜15分、途中で確認しない。

まずは、この3つを覚えておきましょう。

鼻血はよくある症状ですが、止まりにくい場合や、くり返す場合には確認が必要です。
迷うときは、無理に家庭だけで判断せず、医療機関にご相談ください。

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南22条おとなとこどものクリニック

  • この記事を書いた人

小林 俊幸

小林俊幸|南22条おとなとこどものクリニック院長。小児科・総合内科。「がんばりすぎない健康」をテーマに情報発信中。 お問い合わせはこちら

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