内科&小児科

熱中症を防ぐ3つのポイント

だんだんと気温・湿度が上がってきました。今年はコロナウイルスで最前線の病院は疲弊しております。熱中症で救急搬送されないためにみんなで頑張りましょう!

熱中症は実は診断が難しい

体温が高くなる病気はたくさんありますよね。かぜや肺炎といった感染症でもあがりますし、お薬のアレルギーとかでも上がります。周囲の状況や家族からの情報から診断しますが、色々と検査をせざるを得ないこともあります。

僕自身も冷却処置を継続しながら、血液培養や髄液検査、CTと行うことになった症例を経験したことがあります。熱中症は検査で確定できる疾患ではないのです。

熱中症とは

熱中症は熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の4段階に分かれます。熱射病は熱中症の中で最重症病態です。

熱中症は、ヒトの体が熱くなりすぎたときに起こることがあり病気です。多くの場合、非常に高温多湿な天候の中で、十分な水分を摂取せずに運動した場合に起こります。

しかし、熱中症は運動をしていない人にも起こる可能性があります。特に高齢者や持病に多いです。暑さには十分な注意が必要です。

熱中症は早急な対応が必要です。熱けいれんや熱失神といった初期段階で気が付けば、自分自身で対応できますが、熱射症に至ってしまうと死に至る可能性があります。

熱射病の症状

  • 体温が40℃を超えます。
  • 神経症状
  • 混乱し、思考が乱れる
  • 幻覚や幻聴
  • 歩行困難
  • けいれん
  • 意識消失

頻呼吸や動悸、皮膚の紅潮や温度上昇、嘔吐や下痢、筋けいれんや脱力、頭痛も起こりうります。 

熱中症を防ぐ3つのポイント

情報収集と準備が大切です。

「高温」「多湿」「風が弱い日」は、熱中症を発症しやすいです。

特に運動する日は天気予報を確認しましょう。7月~8月の気温が30度を超える日に多発する傾向があります。湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、急に暑くなったといった日に発症しやすくなります。

熱中症になりづらい行動をとる

運動しすぎないようにして、運動するときはこまめに休憩をとりましょう。

水やスポーツドリンクなどをのどの渇きを感じないように十分な水分を摂りましょう。ただし、短時間に無理に大量に飲もうとせず、気持ち悪くなるほど大量に飲まないようにしましょう。害になることがあります。

運動は、外が暑くなる前の早い時間に行いましょう。

ゆるくて軽い服を着ましょう。重ね着は控えましょう。

暑い車の中は避けましょう。 

熱中症の初期症状を見逃さない

熱失神や熱けいれんといった熱中症の初期症状に注意が必要です。このサインを見逃して無理をすると熱疲労→熱射病へと進んでしまう可能性があります。

熱けいれんは、筋肉の痛みを伴う筋けいれんを起こします。熱疲労では、頭痛やめまい、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。また、喉が渇いたり、疲れやすくなったりすることもあります。

熱けいれんや熱疲労の症状が出たら、すぐに体を冷やして熱射病にならないようにしましょう。

高齢者

老化に伴って汗腺の数が減り、またその機能が衰えてくるため、汗が出にくくなったり、体温調節機能が低下したり暑さを自覚しにくくなったりします。のどの渇きも感じにくくなってきます。

室内にいるときはエアコンと扇風機を上手に使って熱中症予防を心がけることが大切です。水分補給もしっかりとしましょう。

子ども

体温調節機能が十分に発達していないため、高齢者と同様、熱中症を発症しやすいです。自分から「暑い」と訴えることが少ないため、周囲の人が気をつける必要があります。 

疑ったら体を冷やしましょう

色々な対策があります。自分でできることをやりましょう。

  • 冷たい水を直接あるいは霧吹きで身体にかけたりして扇風機の前に座る。
  • 日陰に移動したり、冷房の効いたビルや車の中に入ったりする。
  • 冷たいシャワーやお風呂に入る。
  • 着ている余分な服は脱いでください。
  • 首、脇の下、鼠径部には、保冷パックや冷たい布をかけましょう。

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