内科&小児科

繰り返す鼻血

「鼻血を繰り返しています。どうしたらいいでしょうか?」

鼻出血は誰でも一度や二度は経験したことのある症状かと思います。僕も何度か経験したことがあります。比較的よくある症状ですよね。

しかし、繰り返して鼻出血が起きたり、長時間・多量であったりすると不安も大きくなります。お子さんが鼻血を繰り返しているとしたらなおさら不安になります。

私の子どももたびたび鼻血を出していました(今でも出しますが)。

何かにぶつけたとか、鼻をほじったとか原因がわかると安心しますが、原因がわからないとすごく不安になります。血液の病気じゃないか?とか鼻の中に腫瘍でもあるんじゃないか?とか。

鼻出血は左右の鼻のしきりである鼻中隔が傷ついておこることが最も多いです(80%以上)。

お子さんと成人では原因がちょっと違うことが多いので分けてお知らせします。 

お子さんの場合

自分で鼻こすったり、鼻ほじったりして刺激することで鼻出血を起こすことがほとんどです。うちの子どもも気がついたら鼻をほじっています。

鼻かぜやアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)が背景にあることもあり、その治療を行うことで鼻出血が改善することもあります。

鼻かぜや鼻炎の時は、鼻の粘膜が充血している状態です。そこで、くしゃみを連発したり、鼻水を強く何度もかんだりすることによって、この部位が傷つきやすくなるため鼻血が出ます。

また、鼻に掻痒感や違和感があるとお子さんは鼻をいじりたくなります。

ただし、稀ではあるものの腫瘍や血液疾患が隠れていることもあり、繰り返して多量の出血がある場合には受診して検査が必要です。 

成人の場合

原因が明らかでないことは多いです。

成人の鼻出血の原因

  • 原因不明・・・7割くらい
  • 炎症(アレルギー性鼻炎・鼻副鼻腔炎)
  • 外傷
  • 腫瘍
  • 異物
  • 血液疾患
  • 循環器疾患
  • 薬物など

お子さんに比べると原因は様々です。

内科で経験する症例では、高血圧の方の症状であることがしばしばあります。先日、外来を受診した方は血圧は200を超えていました。耳鼻科で処置を受けた後で紹介され、血圧のお薬を開始して鼻出血をしなくなりました。

高血圧が原因の場合には、血圧のコントロールを行うことで改善します。

また、血液をサラサラにする治療を実施している方の鼻出血はとても止まりにくいです。救急外来で抑えても血を止めることができずに耳鼻科の先生に治療をお願いしたこともあります。高齢者ではこのようなお薬を使用している方がたくさんいらっしゃるので注意が必要です。

鼻血の治療

出血している鼻の穴に少し大きめの綿球を入れ、両方の鼻孔をつまむように指で押さえて数分待つことで、大多数のものは止まります。

このとき座って頭部を高くし、頭を下に向けるようにします。頭を上に向けると出血が喉にまわり、場合によっては気持ち悪くなることがあります。

なかなか止血できない時は耳鼻科の先生にお願いして、レーザーなどの外科的治療が必要となる場合もあります。

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