RSウイルス感染症とは呼吸器の感染症です。子どもから大人まで年齢を問わず感染する季節性の風邪です。主な症状は発熱や鼻水、咳です。
特に乳児や基礎疾患を持つお子さんは細気管支炎や肺炎を併発することもあり重症化に注意が必要です。
RSウイルスが今年は季節外れに急増しています。下のグラフの赤線をご覧ください。当クリニックでも先週あたりから陽性者が増えております。
コロナ対策のおかげで「普通の感染症」が昨年は激減しました。RSウイルスの流行もありませんでした(上のグラフの緑線が昨年)。
RSウイルスは、一般的にほとんどのお子さんが2歳ごろまでに感染して免疫を獲得します。その後も感染を繰り返しますが回数がふえるほど軽くなります。2歳以上では鼻かぜ程度ですむことがほとんどです。
RSウイルスに対する免疫もってないお子さんが今年になって感染しているため患者数が急増している可能性があります。
RSウイルスは1歳未満、特に生後半年までの乳児や基礎疾患のあるお子さんがかかると重症化する可能があるので疑われる場合には早めの受診をお勧めします。
RSウイルスに対する抗ウイルス薬は残念ながらありませんが、解熱剤やネブライザー吸入、内服薬で症状を緩和させることは可能です。時間が経つにつれてRSウイルス感染症は徐々によくなることがほとんどです。