子どもの病気

お子さんにとって初めての病気?〜突発性発疹

突発性発疹ってなに?どんな病気なの?いつから登園していいの?

突発性発疹は、お子さんが生まれてから初めての発熱として、保護者の方が直面することが多い病気です。初めての病気でしかも高熱が出るため、保護者の方はとても心配になるかと思います。

外来で突発性発疹のことを初めて聞いたという保護者の方もたくさんいます!外来では全ての説明は難しいので記事に書きました。お子さんのケアに役立てていただけたらと思います。

突発性発疹症ってなに?

突発性発疹症は、突然の高熱と熱が下がる前後にでる発疹が特徴的な病気です。たいていの場合は特別な治療をすることなく改善するウイルス感染です。

原因となるウイルスはヒトヘルペスウイルス6(=HHV-6)と「ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)の2種類です。ほとんどのお子さんは、3歳までにこれらのウイルスにかかります。

しかし、不顕性感染といって、このようなウイルスに感染しても症状が出ずに終わってしまうことが20〜40%あります。

HHV-7はHHV-6よりも遅れて感染することが多いです。HHV-7による突発性発疹は2度目の突発性発疹として発症することがあります。つまり、突発性発疹には2回かかることがあるということです。

経過中にどんな症状がでるの?

突発性発疹症に認める発疹

よくある経過は、39〜40°C以上の発熱が3〜5日間ほど続いた後、熱が下がる直前もしくは下がった後から赤い発疹が体を中心に顔、手足に出てきます。発疹は首や体から始まって四肢へと広がっていきます。発疹は数日間で消えてしまい跡は残りません。

他に認める可能性のある症状は以下のようなものですが、発熱だけということも多いです。

  • 鼻汁
  • 下痢
  • 頸部リンパ節腫脹
  • 眼瞼浮腫
  • 嘔吐
  • 結膜炎
  • 急性中耳炎

まれに痙攣、無菌性髄膜炎、脳炎、血小板減少性紫斑病などを起こすことがあります。極端に機嫌が悪い、痙攣している、意識状態がいつもと違う場合には注意が必要です。

突発性発疹はいつ発症するの?

生後7~13ヵ月が多いです。おおよそ9割のお子さんは2歳未満で発生します。男の子も女の子も同じくらいの割合で発症します。1年を通して発症しますが、春と秋の季節に発症のピークがあります。

どうやって感染するの?

突発性発疹の多くはご両親の唾液から感染といわれております。3歳以上の人はすでに突発性発疹症の原因ウイルスであるHHV-6、HHV-7に感染しており、ウイルスが体内に潜んでいます。そして、唾液には少量のウイルスが排泄されているので、その唾液が赤ちゃんが入り込むことによって感染するといわれております。

生まれてから6か月くらいまでは、お母さんからの免疫(移行抗体)があるため、唾液に含まれる少量のウイルスが赤ちゃんの体内に入っても、移行抗体がウイルスをやっつけて発症することはあまりありません。しかし、その移行抗体は生後6か月を過ぎると体内から消えてしまいます。移行抗体が消えた後で体内に原因となるウイルスが入ってくると、突発性発疹として発症します。

保育園などに通われているお子さんは、すでに突発性発疹症を発症したことのあるお子さんから感染して発症することもあります。

どうやって診断するの?

発熱、下痢などの症状や月齢を考えて突発性発疹を疑います。発疹が出たことを確認して最終的に診断とします。

突発性発疹に対する特別な迅速検査はありません。検査が必要になることはほとんどありませんが、他の病気にかかっていないか確認のために検査をすることがあります。地域でRSウイルスが流行っていればRSウイルスの検査をしたり、溶連菌が流行っていれば溶連菌の検査をします。尿路感染が疑わしい場合には尿検査をします。

血液検査でも突発性発疹の診断の決め手となる異常はありません。好中球減少や軽度の異型リンパ球増加、血小板減少症や無菌性膿尿がみられることもあります。

突発性発疹の治療法

突発性発疹には特別な治療はなく自然によくなる病気です。高熱で苦しそうなら解熱剤を使って症状をやわらげてあげたり、脱水にならないように水分をこまめにあげたりします。

突発性発疹の別名「不機嫌病」

突発性発疹は、発熱中は、高熱のわりには比較的機嫌も良く、食欲もさほど落ちません。 しかし、やっと熱が下がって発疹が出る頃になると不機嫌になることがよくあります。 原因は解っていませんが、ほとんどは発疹が消えるころに機嫌もよくなっていきます。

私の息子も今年、突発性発疹にかかりました。解熱して発疹が出て安心したのですが、ここからがもっと大変でした、食事は拒否で夜も一晩中泣き止みませんでした。。。

いつから登園してよいのでしょうか?

幼稚園、保育園の出席停止期間(登園許可の目安)はありません。熱が下がって元気になっていれば発疹が残っていてもお休みをする必要はありません。不機嫌、よく泣く、あまり眠らないといったときは、まだ、おうちで寝んだ方がよいでしょう。

突発性発疹かなと思ったら?

突発性発疹症として特別に気をつける必要性はありませんが、一般的には発熱時の注意事項と同じく、お子さんの全身状態(顔色は悪くないか、痙攣していないか、意識状態はしっかりしているか、水分摂取はできているか、おしっこは出ているかなど)を観察してください。

高熱が出ていても、全身状態が良ければ、慌てずにしっかりと観察してあげてください。意識状態が悪い、けいれんをしているなどの重篤な場合には、救急病院を受診することが必要です。

まとめ

  • 突発性発疹症は、突然の高熱と熱が下がる前後にでる発疹が特徴的な病気です。たいていの場合は特別な治療をすることなく改善するウイルス感染です。
  • 発熱、下痢などの症状や月齢を考えて突発性発疹を疑い、発疹が出たことを確認して最終的に診断とします。特別な迅速検査はありません。
  • 特別な治療方法もなく自然によくなる病気です。
  • 突発性発疹の別名不機嫌病とも呼ばれ、熱が下がって発疹が出る頃になると不機嫌になることがよくあります。

突発性発疹症とはどんな病気か、発熱への対処方法、重篤な症状とはどんなものかを事前に知っておくと安心してお子さんの管理ができると思います。

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