子どもの病気

熱性けいれんのお子さんは予防接種を受けてよい?熱がでたら解熱剤は使っていいの?

5歳以上のお子さんのコロナウイルスワクチンが始まっております。コロナウイルスワクチンを含めて予防接種の副作用で熱が出ることは珍しくありません。

うちの子どもは熱性けいれんをもっているけど予防接種は受けていいの?熱が出たら解熱剤を使っていいの?

熱性けいれんのお子さんの保護者さんによく受ける質問ですので、今回はその疑問について解説します。

【参考文献】日本小児神経学会 熱性けいれんはどのような病気ですか?

熱性けいれんの子どもは予防接種をうけても大丈夫か?

以前は、過去にけいれんの既往のあるこどもさんは「予防接種禁忌(予防接種をしてはいけない者)」となっていましたが、94年の予防接種法の改正により「接種の際に注意を要する者」と変わり、現在ではすべての予防接種は注意をすれば接種してよいことになりました。

予防接種の副作用

予防接種の後には、熱が出たり、機嫌が悪くなったり、はれたり、しこりがでたりすることがあります。そのほとんどが2~3日で自然に消えてしまいます。

「副反応はとてもこわいもの」「副反応がこわいから予防接種を受けたくない」と思っている方もいると思いますが、必ずしもそうではありません。そのほとんどはワクチンによる生体の反応である一時的な症状で、本当にその病気にかかったリスクに比べると軽く、重度の副反応はきわめてまれなのです。

予防接種をうけたあとに発熱をしたら解熱剤は使用してもよい。

解熱剤を使用しても熱性痙攣が増えることはありません。おこさんが発熱や頭痛で辛そう、不機嫌で苦しそう、眠れないといったことがあれば、解熱剤を使用してあげてください。

残念ながら、解熱剤には熱性けいれんを予防する効果はないということも分かっています。

ワクチン接種後の発熱は、接種当日から翌日にかけてみられ、1〜2日くらいで解熱することが多いです。お子さんの症状の程度が重くなければ、冷却や水分摂取などで様子をみてよいと思います。

お子さんで安全に使用できる解熱薬として、アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ坐薬)があげられます。一部の解熱剤では、インフルエンザや水痘などのウイルス感染時に使用したときに急性脳症発症や重症化と関連している可能性があり、使用しない方が無難です。

熱性けいれんの再発率

再発予測因子をもたない場合には熱性けいれいの再発率は約15%です。再発因子には以下のような項目があります。

  • 両親いずれかの熱性けいれん家族歴
  • 1歳未満の発症
  • 短時間の発熱 - 発作間隔(概ね 1 時間以内)
  • 発作時体温が 39℃以下

いずれかがあてはまる場合、再発の確率は 2 倍以上になります。

熱性けいれんは一般的には生後6か月から6歳くらいまでと考えられていますので、小学生になるころには熱性けいれんを起こすことはかなり少なくなります。

要するにどうすればいいのでしょうか?

  • 熱性けいれんのお子さんであっても予防接種はできるだけ接種すべきです。その病気に本当にかかるよりもリスクはかなり低いです。
  • 解熱剤を使用しても熱性痙攣が増えるわけではないので、おこさんが発熱や頭痛で辛そう、不機嫌で苦しそう、眠れないといったことがあれば使用してください。

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